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An die Hoffnung   Op.124  
 
希望に寄せる  
    

詩: ヘルダーリン (Johann Christian Friedrich Hölderlin,1770-1843) ドイツ
    Gedichte 1800-1804  An die Hoffnung

曲: レーガー (Max Reger,1873-1916) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


O Hoffnung! Holde,gütiggeschäftige!
Die du das Haus der Trauernden nicht verschmähst,
Und gerne dienend,Edle! zwischen
Sterblichen waltest und Himmelsmächten,

Wo bist du? wenig lebt' ich; doch atmet kalt
Mein Abend schon. Und stille,den Schatten gleich,
Bin ich schon hier; und schon gesanglos
Schlummert das schaudernde Herz im Busen.

Im grünen Tale,dort,wo der frische Quell
Vom Berge täglich rauscht,und die liebliche
Zeitlose mir am Herbsttag aufblüht,
Dort,in der Stille,du Holde,will ich

Dich suchen,oder wenn in der Mitternacht
Das unsichtbare Leben im Haine wallt,
Und über mir die immerfrohen
Blumen,die blühenden Sterne,glänzen,
O du Holde,dich will ich finden.

O du des Äthers Tochter! erscheine dann
Aus deines Vaters Gärten,und darfst du nicht
Ein Geist der Erde,kommen,schröck',o
Schröcke mit anderem nur das Herz mir.
O Hoffnung,holde Hoffnung,O Hoffnung!


おお希望よ! 優しき者! 善き仕事に励む者よ!
お前は喪に服す家も拒まず
死の定めに従う者と、天上の力との間に
喜んで仕える、貴き者よ!

お前はどこにいるのだ、おお希望よ! 私はわずかしか生きていない;
だが既に晩年の冷めた空気を吸っている そして静かに、影のように、
ここで既に歌も無く
おののく心はこの胸でまどろんでいる

緑の谷の中、そこには新鮮な泉の水が
日々山から音を立てて流れ、愛らしい
時無し花が秋には咲いてくれる
そこで、静けさの中で、優しき者よ、私は

お前を探す、あるいは真夜中に
見えない生命が神苑を歩み
私の頭の上にいつもの善良な
花々、揺ぎ無い星星が輝く時
[おお、善き者、私はお前を見つけるだろう]*

おお、お前、エーテルの娘よ! その時は
お前の父の庭園から出でよ、そして
私に死の定めの予告をしてくれないのなら、驚かせてくれ
私の心を、それとは別のもので
[優しき者、希望、おお希望よ!]*

   (カッコ内はレーガーによる付加部分)

レーガーによる1912年作の管弦楽伴奏歌曲です。レーガーによって2行の詩句が追加されて各連四行の形が崩れたほかにも多少の変更がありそうですが、スコアを見ていないので確認できません。[おお、善き者、私はお前を見つけるだろう]の追加により諦観が拭い去られ、言葉通りの「希望に寄せる」詩になっています。レーガーの音楽は壮大で陶酔的な後期ロマン派そのもの。詩の改変にしても音楽にしても、私の持っているヘルダーリンのイメージとはややずれがあります。演奏はマッティラ&アバド=ベルリン・フィル(ソニー)、ウィン=ロジャース&ボッツスタイン=ロンドン・フィル(テラーク)があります。

( 2004.09.04 甲斐貴也 )


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