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椰子の実    
 
 
    

詩: 島崎藤村 (Shimazaki Touson,1872-1943) 日本
      

曲: 大中寅二 (Oonaka Toraji,1896-1982) 日本   歌詞言語: 日本語


名も知らぬ遠き島より 
流れ寄る椰子の実一つ
故郷(ふるさと)の岸を離れて 
汝(なれ)はそも波に幾月

旧(もと)の木は生(お)いや茂れる 
枝はなお影をやなせる
我もまた渚を枕 
孤身(ひとりみ)の浮寝の旅ぞ

実をとりて胸にあつれば 
新たなり流離の憂
海の日の沈むを見れば 
激(たぎ)り落つ異郷の涙

思いやる八重の汐々 
いずれの日にか故国(くに)に帰らん



( 2016.11.13 藤井宏行 )


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