荒城の月 |
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春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして 千代の松が枝わけいでし 昔の光 いまいづこ 秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁の数見せて 植うるつるぎに照りそひし 昔の光 いまいづこ いま荒城のよはの月 替らぬ光たがためぞ 垣に残るはたゞかづら 松に歌ふはたゞあらし 天上影は替らねど 栄枯は移る世の姿 写さんとてか今もなほ 嗚呼荒城のよはの月 |
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本格的な日本歌曲第一号ともいえる作品。今でも日本歌曲を取り上げる時には外すことのできない一品となっていますでしょうか。
詩人は会津の鶴ヶ城を思い浮かべて書き、瀧は母の故郷大分の竹田城址をイメージしてメロディを書いたのだといいます。
( 2016.11.11 藤井宏行 )