白百合 |
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日清戦争の従軍看護婦を歌った1894年の 婦人従軍歌、その日華事変版がこの「白百合」です。遠くで聞こえる砲声や「赤十字」という言葉、呻く傷病兵の看護と、明らかに元歌を意識して詞は書かれておりますが、クリスチャンでもあった大中はこれに讃美歌のような清楚なメロディをつけました。まだ太平洋戦争に突入しておらず、目がつり上がったような激烈な戦時歌謡はそれほど多くなかった時期とはいえ、この祈りのような音楽は異色です。「皇軍に勝鬨あれ」など激しい歌詞もありながら、それがあたかも平和を求める祈りのように聴こえてきてしまうのはとても印象深く思えます。
( 2016.11.11 藤井宏行 )