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Was für ein Lied soll dir gesungen werden    
  Italienisches Liederbuch
君にはどんな歌を歌ってあげたらいいのかな  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 130 Was für ein Lied soll dir gesungen werden 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Was für ein Lied soll dir gesungen werden,
Das deiner würdig sei? Wo find' ich's nur?
Am liebsten grüb' ich es tief aus der Erden,
Gesungen noch von keiner Kreatur.
Ein Lied,das weder Mann noch Weib bis heute
Hört' oder sang,selbst nicht die ältsten Leute.

君にはどんな歌を歌ってあげたらいいのかな。
君に見合うような歌といったら?どこで見つかるのだろう。
なによりもまず地面から深く掘り起こしたい気持ちだ、
いかなる創造者もつくりあげたことのないほどの歌を。
今日(こんにち)までいかなる男女も、
老人でさえ一度たりとも聞いたり歌ったりしたことのない歌を。


この曲は、「イタリア歌曲集」の中で最後(1896年4月30日)に作曲された作品だが、出版時に第2部の冒頭に置かれた。「小さなものでも」が第1部の冒頭に置かれたように、この曲にもヴォルフの切なる気持ちが込められているように思われる。ヴォルフは第1部の22曲を作曲した後、長い創作の枯渇時代を体験した。第2部の24曲は1ヶ月という驚異的なスピードで書き上げたが、インスピレーションのありがたみを痛感した気持ちがこの詩への共感の深さに感じられる。

シュライアー&エンゲル:誠実で真摯なシュライアーの歌が心に沁みこんでくる。エンゲルのピアノも丁寧な歌いぶりで実に味わい深い。
プライ&ヴァイセンボルン:甘美で真っ直ぐな表現がストレートに伝わってきて、感動的。
シュミット&ヤンセン:温かい包み込むような声が魅力的。
ほかにはハーゲゴール&パーソンズなども良かった。

( 2004.4.04 フランツ・ペーター )


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