Mein Liebster singt am Haus im Mondenscheine Italienisches Liederbuch |
あたしの恋人が月明りの注ぐ家の前で歌っているわ イタリア歌曲集 |
Mein Liebster singt am Haus im Mondenscheine, Und ich muß lauschend hier im Bette liegen. Weg von der Mutter wend' ich mich und weine, Blut sind die Tränen,die mir nicht versiegen. Den breiten Strom am Bett hab' ich geweint, Weiß nicht vor Tränen,ob der Morgen scheint. Den breiten Strom am Bett weint' ich vor Sehnen; Blind haben mich gemacht die blut'gen Tränen. |
あたしの恋人が月明りの注ぐ家の前で歌っているわ、 なのにあたしはそれを聞きながらこのベッドの中にいなきゃならないなんて。 お母さんにそっぽを向いて泣いているの。 涸れることを知らない涙はまさに血よ。 ベッドの脇に広い大河が出来るくらい泣きじゃくっているわ。 涙、涙で、朝が来たのも分からなかったくらい。 思い焦がれて、ベッドの脇に広い涙の大河をつくってしまったの。 血の涙を流して、あたしは何も見えなくなってしまった。 |
女性の彼氏が窓辺でセレナードを歌っているのに、彼女の母が二人の交際に反対で逢うことが出来ないという状況だと思われる。
ショパンに例えられる物悲しく、印象的なセレナードの響きをピアノが奏する中、止まらない血の涙を流し続ける女性の苦悩が歌われる。
シュヴァルツコプフ&ムーア:近くにいながら顔を合わすことの出来ないやりきれない心の叫びを、深い思い入れを込めて感動的に歌う。ムーアもポイントをおさえた好演。
アーメリング&ゲイジ:悲しみの表現がごく自然体で描かれていて、シュヴァルツコプフとは異なった魅力がある。
アップショー&ドイチュ:本来の声質が曇りひとつなく晴れ渡ったような明るさゆえに、詩の悲しさ、悔しさが一層切実に伝わってくる。
( 2003.12.28 フランツ・ペーター )