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Ein Gott vermags    
  Fünf Sonette an Orpheus
ひとりの神には可能だ  
     5つのオルフェウスに寄せるソネット

詩: リルケ (Rainer Maria Rilke,1875-1926) オーストリア
    Die Sonette an Orpheus I 3 

曲: ラウタヴァーラ (Einojuhani Rautavaara,1928-2016) フィンランド   歌詞言語: ドイツ語


Ein Gott vermags. Wie aber,sag mir,soll
ein Mann ihm folgen durch die schmale Leier?
Sein Sinn ist Zwiespalt. An der Kreuzung zweier
Herzwege steht kein Tempel für Apoll.

Gesang,wie du ihn lehrst,ist nicht Begehr,
nicht Werbung um ein endlich noch Erreichtes;
Gesang ist Dasein. Für den Gott ein Leichtes.
Wann aber sind wir? Und wann wendet er

an unser Sein die Erde und die Sterne?
Dies ists nicht,Jüngling,Daß du liebst,wenn auch
die Stimme dann den Mund dir aufstößt,- lerne

vergessen,daß du aufsangst. Das verrinnt.
In Wahrheit singen,ist ein andrer Hauch.
Ein Hauch um nichts. Ein Wehn im Gott. Ein Wind.

ひとりの神には可能だ だがどうやって 教えてくれ
ひとりの人間が神に続けるのだ 狭いリュートを通じて?
人の心は二つに割れている その二つの道の交差点に
建ってはいないのだ アポロの神殿は

歌は 御身が教えるように 欲望ではない
求愛でもない 最後には成就されるものへの
歌うことは存在 神にとっては容易なこと
だがいつわれらは存在するのか?そしていつ神は向けられるのか

われらの存在に 大地と星たちを?
それは違うのだ 若人よ お前が愛することは たとえその時
声がそなたの口をついて出ようとも −学ぶがいい

忘れるのだ お前がして来たことを それは流れ去る
真実の中で歌う それは別の吐息なのだ
何ものでもないそよぎ 神のうちのひと吹き 風なのだ


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   Fünf Sonette an Orpheus 5つのオルフェウスに寄せるソネット

( 2016.10.29 藤井宏行 )


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