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Du denkst mit einem Fädchen mich zu fangen    
  Italienisches Liederbuch
あなたは細い糸たった一本で私を捕まえて  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 115 Du denkst mit einem Fädchen mich zu fangen 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Du denkst mit einem Fädchen mich zu fangen,
Mit einem Blick schon mich verliebt zu machen?
Ich fing schon andre,die sich höher schwangen;
Du darfst mir ja nicht trau'n,siehst du mich lachen.
Schon andre fing ich,glaub' es sicherlich.
Ich bin verliebt,doch eben nicht in dich.

あなたは細い糸たった一本で私を捕まえて、
ほんの一瞥で簡単に落としてやろうとでも思っているようね?
私だってもう他に何人も捕獲したのよ、高く飛び上がってきた男たちをね。
だから私があなたに笑いかけたからといって脈があるなんて思っちゃ駄目よ。
私はもう他に何人もゲットしているの、本当よ。
私今恋に落ちているわ、でもお生憎様、あなたなんかじゃないんだから。


強気で自信過剰な男に肘鉄をくらわせるという内容で、文字通り、女性がこの男を愛していないという解釈もあるだろうが、最後の一行は女性の強がりであって本当は好きなのに素直に伝えられないという気がしてならない。
ヴォルフは最後の一行を2回繰り返しているが、2回目はverliebtでオクターヴ上昇して思わせぶりな態度を強調した後で、「笑いながら」という表示で「でもあなたじゃないのよ」と早口で締めるところなど、ヴォルフの冴えは見事である。

ゼーフリート&ヴェルバはネイティヴの強みなのか、貫禄すら感じられる余裕の演奏。
ボニー&パーソンズやエルツェ&ヤンセンは最後の1行で笑いながら早口で撥ね付けるところが特に表情豊かでうまかった。
ツィーザク&アイゼンローアは歯切れのよい語りとコケティッシュな表情で引き込まれる。

( 2003.10.13 フランツ・ペーター )


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