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虫の楽隊    
 
 
    

詩: 桑田 春風 (Kuwata Shunpu,1877-1935) 日本
      

曲: 田村虎蔵 (Tamura Torazou,1873-1943) 日本   歌詞言語: 日本語


千草 八千草 乱れ咲きて
花を褥(しとね)の夢おもしろと
おのずからなる虫の声々
 チンチロリン チンチロリン
 スイッチョ スイッチョ
 ガシャガシャ ガシャガシャ
 ガシャガシャ ガシャガシャ
月ある夜半は
秋の野面(のもせ)の楽隊おかし

鈴虫 松虫 くつわ虫や
こおろぎ 馬追い 鐘つき虫の
節もさまざま 歌に囃子に
 チンチロリン チンチロリン
 スイッチョ スイッチョ
 ガシャガシャ ガシャガシャ
 ガシャガシャ ガシャガシャ
風なき夜半は
秋の野面の楽隊おかし



秋もたけなわの今の時期にぴったりの唱歌を取り上げます。秋の虫のことを歌った歌ですと「虫の声」(文部省唱歌)があまりにも有名で、こちらの曲はその影に隠れてかほとんど今や知られざる歌となってしまっておりますが、「虫の声」同様に秋の虫の鳴き声が織り込まれたなかなかに愛らしい音楽です。Youtubeでは童謡歌手のはしりと言われる納所文子(作曲家・納所弁次郎の娘)のSP盤の演奏を聴くことができます。ちょっと今の耳で聴くのはツラいところもありますが、古き良き時代の証言として今聴けるのはありがたく思わねばなりません。

( 2016.10.15 藤井宏行 )


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