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Nun laß uns Frieden schließen,liebstes Leben    
  Italienisches Liederbuch
さあ、仲直りしよう  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 113 Nun laß uns Frieden schließen,liebstes Leben 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Nun laß uns Frieden schließen,liebstes Leben,
Zu lang ist's schon,daß wir in Fehde liegen.
Wenn du nicht willst,will ich mich dir ergeben;
Wie könnten wir uns auf den Tod bekriegen?
Es schließen Frieden Könige und Fürsten,
Und sollten Liebende nicht darnach dürsten?
Es schließen Frieden Fürsten und Soldaten,
Und sollt' es zwei Verliebten wohl mißraten?
Meinst du,daß,was so großen Herrn gelingt,
Ein Paar zufriedner Herzen nicht vollbringt?

さあ、仲直りしよう、いとしい命(ひと)。
仲たがいが、もう長すぎたよ。
君が嫌なら、僕が折れるからさ。
死闘を繰り広げたりなんかしていられないだろ。
国王や領主たちだって和解するというのに、
愛し合っている人同士が仲直りしたくないわけないだろう?
領主や兵隊たちだって和解するというのに、
愛する二人に出来ないわけないだろう?
考えてごらんよ、偉人たちにだって出来ることなのに、
満ち足りた二人に出来ないなんて思うかい?


八分の六拍子の流麗な響きで、けんか(浮気のせいか)の後の和解を求める一見穏やかな歌である。全曲演奏では男声によって歌われることが多いものの、女声もリサイタルで歌うことがあり、性別に縛られない内容になっている。ただ、お偉方を引き合いに出して、ある意味強引に仲直りを迫るというのは、どちらかといえば男の歌のように思える。懲りない男が、浮気発覚の度に歌って女性のご機嫌とりをしているというのは深読みに過ぎるだろうか。

スコウフス&ヴィイタサロが温かい声で真摯に歌っており、純粋な和解の歌として感動的だ。ヴィイタサロが、曲に殆ど一貫して現れる下降する3つの音をよく響かせて、優しくいたわるような演奏を聴かせる。
ベーア&ドイチュは、優しく繊細なベーアの声と表現がぴったりマッチしている。
クラウセ&ゲイジは、甘く、やや頼りなげなクラウセの声がプラスに働き、包容力と同時に若干の調子の良さも聴き取れる。
ほかにF=ディースカウ&デームス、シュミット&ヤンセンもいいが、女声ではボニー、シュヴァルツコプフ、アーメリングが歌っている。

( 2003.9.22 フランツ・ペーター )


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