ぞうのこ |
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わたしゃぞうのこ おっとり おっとりしてた なにか しらぬが ゆっくら ゆっくらしてた おめめ ふさいで うっとり うっとりしてた おはな ふりふり ゆうらり ゆうらりしてた どこか しらぬが のっそり のっそりしてた いつか しらぬが とうろり とうろりしてた なにも しもせず ぼんやり ぼんやりしてた 「坊や おまんまだよ」 だれか よぶけど うっとり うっとりしてた おはな ふりふり ゆうらり ゆうらりしてた |
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昭和30〜40年代に「あめふりくまのこ」や「おはながわらった」「山のワルツ」などたくさんの魅力的なこどもの歌を書いた湯山昭、その歌詞に選んだ詩人は鶴見正夫、阪田寛夫、香山美子、保富康午といった当時活躍していた同世代の詩人たちが大部分なのですが、なぜかたった1曲だけ北原白秋の詩につけたものがありました。この同じ詩には山田耕筰がつけた曲もあってなかなか大胆な選択ですが、さすがメルヘンの大御所、ほんのりとユーモアを漂わせたとても魅力的な童謡となりました。ちょっと歌詞に古めかしい言葉も出て来ますが歌になるとあまり気になりません。
( 2016.09.29 藤井宏行 )