Wehe der,die mir verstrickte Meinen Geliebten! Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder) |
世俗歌曲第33番『禍いあれ、あたしの恋人を惑わした女に!』 スペイン歌曲集_世俗歌曲集 |
Wehe der,die mir verstrickte meinen Geliebten! Wehe der,die ihn verstrickte! Ach,der Erste,den ich liebte, ward gefangen in Sevilla. Mein Vielgeliebter, Wehe der,die ihn verstrickte! Ward gefangen in Sevilla mit der Fessel meiner Locken. Mein Vielgeliebter, Wehe der,wehe der,die ihn verstrickte! |
禍いあれ、惑わした女に あたしの恋人を! 禍いあれ、彼を惑わした女に! ああ、あたしの愛した最初の人だった セヴィリヤでつかまえた あたしの心から愛する人 禍いあれ、彼を惑わした女に! あたしの巻き毛の鎖でもって セヴィリアでつかまえた あたしの心から愛する人 禍いあれ、彼を惑わした女に! |
「セヴィリヤでつかまえた(つかまった)」というのが、自分の恋人のことにしては風変わりです。これを、恋人がその女にセヴィリヤで捕まった、ととっている対訳もありますが、そうすると「わたしの巻き毛の鎖でもって」が意味不明になってしまいます。ヴォルフもこの部分は回想風にしているので、自分の恋を語っているのは間違いないでしょう。「知り合った」「恋に落ちた」にしてもいいですが、「せっかくいい男を捕まえたのに取られちゃった」という乗りも面白いと思い「つかまえた」にしました。
作者のジル・ヴィセンテGil Vicente(1470?-1539?)はポルトガルの劇作家。この作品は1890年4月27日、この曲集の最後に完成されたとのことです。
( 2003.3.1 甲斐貴也 )