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Jabberwocky    
 
ジャバウォッキー  
    

詩: キャロル (Lewis Carroll,1832-1898) イギリス
    Through the Looking-Glass and What Alice Found There (鏡の国のアリス) Ch.01 Jabberwocky

曲: ホイビー (Lee Hoiby,1926-2011) アメリカ   歌詞言語: 英語


Twas brillig,and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe:
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.

“Beware the Jabberwock,my son!
The jaws that bite,the claws that catch!
Beware the Jubjub bird,and shun
The frumious Bandersnatch!”

He took his vorpal sword in hand:
Long time the manxome foe he sought --
So rested he by the Tumtum tree,
And stood awhile in thought.

And,as in uffish thought he stood,
The Jabberwock,with eyes of flame,
Came whiffling through the tulgey wood,
And burbled as it came!

One,two! One,two! And through and through
The vorpal blade went snicker-snack!
He left it dead,and with its head
He went galumphing back.

“And,has thou slain the Jabberwock?
Come to my arms,my beamish boy!
O frabjous day! Callooh! Callay!'
He chortled in his joy.

`Twas brillig,and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe;
All mimsy were the borogoves,
And the momeraths outgrabe.
今は炙り時 そしてあのぬめらかなトーヴどもが
環めぐり ねじ錐込む 幅広場の中
すっかりみじめっぺらなのがボロゴーヴ鳥ども
そしていえなきなラースどもは叫喚く

「気をつけよ ジャバウォックに わが息子よ!
 噛みつくアゴ 掴みかかるかぎ爪
 気をつけよ ジャブジャブ鳥に そして避けるのだ
 あの燻り狂ったバンダースナッチを!」

彼は自らの鋭き剣を手に
長き時をマンゾームeなる敵を探した
そして休んだ タムタムの木のそば
しばし佇んだのだ 思いにふけって

こうして猛暴なる思いで立っていた時
ジャバウォック 炎の目で
びゅうっとやって来た トゥルゲイの森を抜けて
怒わめいていたのだ やって来るときに!

一 二! 一 二!突き また突き
鋭き刃がぐさぎりと貫く
そいつを殺し その首持って
彼は駆け勝ち戻る

「では そなた斃せしか あのジャバウォックを?
 わが腕に来たれ わが光機あふるる息子よ!
 おお素晴れしき日!ガンガレ!ガンザイ!」
父は喉鳴らす 喜びに

今は炙り時 そしてあのぬめらかなトーヴどもが
環めぐり ねじ錐込む 幅広場の中
すっかりみじめっぺらなのがボロゴーヴ鳥ども
そしていえなきなラースどもは叫喚く


ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の続編「鏡の国のアリス」 第1章 鏡文字で読めなかった詩を鏡に映すとこんな詩が現れ出でました。もっとも意味不明の言葉だらけであまり意味はうまく取れないのではありますが。その大部分はキャロルの造語で彼自身をはじめとして色々な解説がWikipediaの記事をふくめて溢れています。そんな解説も参考にしながら、何とか自分なりの訳をつけてみました。
「不思議の国のアリス」の中のたくさんの詩と同様、ほとんどクラシック系の作曲家には取り上げられていない作品ですが、アメリカの現代作曲家ホイビーの書いたものを耳にすることができました。現代風の味付けをしながらもキッチュな風格を失わない面白い音楽です。

( 2016.09.18 藤井宏行 )


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