Da nur Leid und Leidenschaft Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder) |
世俗歌曲第32番「苦しみと激情ばかりが」 スペイン歌曲集_世俗歌曲集 |
Da nur Leid und Leidenschaft mich bestürmt in deiner Haft, biet' ich nun mein Herz zu Kauf. Sagt,hat einer Lust darauf? Soll ich sagen,wie ich's schätze, sind drei Batzen nicht zu viel. Nimmer war's des Windes Spiel, eigensinnig blieb's im Netze. Aber weil mich drängt die Not biet' ich nun mein Herz zu Kauf, schlag' es los zum Meistgebot - sagt,hat einer Lust darauf? Täglich kränkt es mich im Stillen und erfreut mich nimmermehr. Nun wer bietet? wer giebt mehr? Fort mit ihm und seinen Grillen! Daß sie schlimm sind,leuchtet ein, biet' ich doch mein Herz zu Kauf. Wär es froh,behielt' ich's fein - sagt,hat einer Lust darauf? Kauft ihr's,leb' ich ohne Grämen. Mag es haben,wenn's beliebt! Nun wer kauft? wer will es nehmen? Sag' ein Jeder,was er giebt. Noch einmal vorm Hammerschlag biet' ich jetzt mein Herz zu Kauf, daß man sich entscheiden mag - sagt,hat einer Lust darauf? Nun zum ersten und zum zweiten und beim dritten schlag' ich's zu! Gut denn! Mag dir's Glück bereiten; nimm es,meine Liebste du! Brenn' ihm mit dem glüh'nden Erz gleich das Sklavenzeichen auf; denn ich schenke dir mein Herz, hast du auch nicht Lust zum Kauf. |
苦しみと激情ばかりが 俺の心に襲ってくるんだ、おまえのせいで こんな心なんか売り飛ばしちまおう 言ってくれ、誰か欲しいやつはいないか? 自分で自分を見積もるならば 3バッツェンでも高すぎないさ 風の戯れには決して動じず 罠にはまってもびくともしない だけどどうにも困ったことになっちまった こんな心なんか売り飛ばしちまおう 高値をつけてくれたやつに売り払うぞ 言ってくれ、誰か欲しいやつはいないか? こいつは毎日無言で俺を悩ませ続け 決して喜ばせはしてくれない さあ、誰だ値をつけるのは? さらに高値をつけるのは? さっさとこいつとその馬鹿げた想いを持って行ってくれ! こいつはほんとにひどい代物だ こんな心なんか売り飛ばしちまおう もしこいつが幸福なもんなら喜んで持っているんだが・・・ 言ってくれ、誰か欲しいやつはいないか? こいつを買ってもらえれば、辛い思い無しに暮らしてゆける 誰でも気に入ったやつが持って行ってくれていい さあ、誰が買う? 誰かこいつを欲しくないかい? みんないくら払うか言ってくれ 値決めのハンマーを打つ前に こんな心なんか売り飛ばしちまおう だれであっても構わない 言ってくれ、誰か欲しいやつはいないか? さあひとつ、そしてふたつ、 それからみっつ目を振り下ろしたぞ! 良かったな! 幸運はおまえにもたらされた さあ取ってくれ、俺の愛する女よ! 燃える金テコをそいつに押しあて 奴隷の印を焼き付けろ 俺の心はおまえに売ったぞ たとえおまえが買いたいと思わなくても *)バッツェン=昔のドイツの貨幣単位。独訳者ハイゼによる便宜的訳か。銀貨三枚、または3ペソとした和訳もある。 |
男声向きのスケルツォ的に豪快な歌曲。恋に悩む心を持て余してセリにかけるという滑稽な詩ですが、ヴォルフの曲はあくまで真面目で苦悩を激情的に訴えていきます。その意味でいまひとつ面白みにかけるかもしれませんが、全曲通して見た場合、男声の声を張る見せ場になることも考えらえているのかもしれません。録音は少なく、フィッシャー=ディースカウ氏の新旧二種とベーアしか聴くことが出来ませんでした。いつもながら真摯なベーアも悪くありませんが、ここはやはりテクニシャンF=D氏の独壇場でしょう。緩急自在の鮮やかな歌唱でわかりやすく楽しませてくれます。
( 2003.6.11 甲斐貴也 )