When smoke stood up from Ludlow Ludlow and Teme |
煙がラドロウから立ち上がったとき ラドロウとテイム |
When smoke stood up from Ludlow, And mist blew off from Teme, And blithe afield to ploughing Against the morning beam I strode beside my team, The blackbird in the coppice Looked out to see me stride, And hearkened as I whistled The trampling team beside, And fluted and replied: “Lie down,lie down,young yeoman; What use to rise and rise? Rise man a thousand mornings Yet down at last he lies, And then the man is wise.” I heard the tune he sang me, And spied his yellow bill; I picked a stone and aimed it And threw it with a will: Then the bird was still. Then my soul within me Took up the blackbird's strain, And still beside the horses Along the dewy lane It sang the song again: “Lie down,lie down,young yeoman; The sun moves always west; The road one treads to labour Will lead one home to rest, And that will be the best.” |
煙がラドロウから立ち上がったとき そして靄がテームから吹き飛ばされてくるとき 威勢よく畑に耕しに 朝の光に向かって 俺は歩いて行った 家畜どもをつれて ブラックバードが林の中で じっと眺めてた 俺が大股で歩くのを そして聞いてた 俺が口笛吹くのを どたどたと歩く家畜どもの脇で それから歌ってこう答えたのさ: 「寝そべってろよ 寝そべってろよ 若い百姓よ 何の役に立つ 起き上がって起き上がるのは? 人間は起き上がるけど 千の朝に だけど最後は倒れて横になるんだろう そしてそれだから人間は賢いんだ」 俺は聞いた 奴が俺に歌った歌を そしてちらっと見た 奴の黄色いくちばしを 俺は石を拾って 奴めがけ 力一杯投げてやった: そしたら鳥は静かになったのさ すると俺の魂は 俺の中で 捕らえたのさ あのブラックバードの歌声を そしてなお 馬どもの横 露にぬれた畝に沿って 奴はまた歌を歌い出した 「寝そべってろよ 寝そべってろよ 若い百姓よ 太陽はいつも西に動いて行く その仕事に向かって歩いてゆく道は 家に休みに帰る道だ そしてそれは最高のことだろ」 |
イギリス歌曲がお好きな方ならきっとお好きであろうアイヴァー・ガーニーのふたつあるハウスマンの詩集「シュロップシャーの若者」からの歌曲集のうちの最初のものです。この歌曲集はテナーとピアノ、それに弦楽四重奏という構成でかかれていますので爽やかな詩情にあふれてとても美しい響きです。最初の曲は詩集の7番目、のどかな自然の情景ですがその実深いものを内包しています。音楽はそんな感じを漂わせながらもひたすら元気よく、明るく紡ぎ出されて行きます。
( 2016.09.10 藤井宏行 )