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Sie blasen zum Abmarsch    
  Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder)
世俗歌曲第28曲『出陣のラッパが鳴っているわ』  
     スペイン歌曲集_世俗歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Spanisches Liederbuch - 2. Weltliche Lieder(スペインの歌の本 2.世俗歌曲) 84 Sie blasen zum Abmarsch 原詩:スペイン詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Sie blasen zum Abmarsch,
Lieb Mütterlein.
Mein Liebster muß scheiden
Und läßt mich allein!

Am Himmel die Sterne
Sind kaum noch geflohn,
Da feuert von ferne
Das Fußvolk schon.
Kaum hört er den Ton,
Sein Ränzelein schnürt er,
Von hinnen marschiert er,
Mein Herz hinterdrein.
Mein Liebster muß scheiden
Und läßt mich allein!

Mir ist wie dem Tag,
Dem die Sonne geschwunden.
Mein Trauern nicht mag
So balde gesunden.
Nach nichts ich frag,
Keine Lust mehr heg ich,
Nur Zwiesprach pfleg ich
Mit meiner Pein--
Mein Liebster muß scheiden
Und läßt mich allein!

出陣のラッパが鳴っているわ、
お母様
彼は出立しなければならないのよ
わたしをひとり残して!

空にはまだ星が
消えずにいるというのに
もう遠くで響いてるわ
歩兵隊の銃火が
あの音を聞けば彼は
背嚢の紐を締めて行ってしまう
ついて行けるのは
わたしの心だけ
彼は出立しなければならないのよ
わたしをひとり残して!

まるで真昼に
太陽が消えてしまったみたいよ
でもわたしの悲しみは
すぐに元に戻ったりはしないわ
何も考える気がしないし
大事にしてきたものにも
もう喜びはない
ただ辛さと向き合うばかり
彼は出立しなければならないのよ
わたしをひとり残して!


ついに米軍のイラク攻撃が始まってしまいましたが、スペイン歌曲集にも戦争物が1曲あったのでとりあげることにしました。言うまでもなくスペインの中世の詩ですが、何百年経っても人類には何の進歩もないようですね。

第二節冒頭ですが、おそらくこれは日食のことを言っているのではないでしょうか。わずかな時間で再び太陽が輝くそれと比較して、その次の「すぐに元に戻ったりしない」という表現が出てくるのだと思うのですが、原文にない「日食」という言葉を補うのは迷った末やめました。語る相手が母親であるという以外特に言及されていませんが、例によってごく若い娘の歌のように思います。

ヴォルフの作曲は、明るい行進曲調のピアノ伴奏と嘆く歌が対照的に描かれ、第二節でテンポを落として悲しみに浸った後、恋人の行軍がかなたに去って行く情景が描写されています。

演奏はこのところ訳してきた地味な男声用の作品に比べれば多い方です。ヴォルフ協会SPのGinster、シュヴァルツコップの全集とライブ、ドボジー、オッター、そしてオルツェ。やはりシュヴァルツコップとオッターの巧さが光ると思いますが、最新のオルツェもしっとりと歌っていていい感じです。

( 2003.3.24 甲斐貴也 )


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