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Fain would I change that note    
  Anon. in Love
喜んで調べを変えることもできよう  
     恋する詠み人知らず

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      

曲: ウォルトン (William Walton,1902-1983) イギリス   歌詞言語: 英語


Fain would I change that note
To which fond Love hath charm'd me
Long,long to sing by rote,
Fancying that that harm'd me:

Yet when this thought doth come
'Love is the perfect sum
Of all delight!'
I have no other choice
Either for pen or voice
To sing or write.

O Love! they wrong thee much
That say thy fruit is bitter,
When thy rich fruit is such
As nothing can be sweeter.

Fair house of joy and bliss,
Where truest pleasure is,
I do adore thee:
I know thee what thou art,
I serve thee with my heart,
And fall before thee.

喜んで調べを変えることもできよう
好ましき愛が私を魅了したその調べで
焦がれ 焦がれてきたのだ そらで歌うことを
それが私に害をなしたと夢想しながらも

だが この考えがやってきた時には
「愛とは 完璧に合わせたものだ
 すべての喜びを!」
私に他の選択肢はなかった
ペンか 声以外の
歌うか 書くかの

おお愛よ!皆がそなたを悪しざまに
言うのだ そなたの果実は苦いなどと
そなたの豊かな果実は
何物も比べられぬ程に甘いというに

喜びと幸せの美しき家よ
この上ない喜びのあるところよ
私はそなたを愛する
私は知っている そなたが何者なのかは
私は仕えよう そなたに心から
そしてそなたの前に身を投げ出そう

17世紀のシンガーソングライター、トビアス・ヒュームの作詞とも言われていますが、実際のところは不明なようです。同じ詩にはクィルターも「エリザベス朝の12の歌曲」で独自のメロディをつけており、このウォルトンの作品と聴き比べができます。ウォルトンの作品はテナーとギター伴奏というなかなか味のあるもの。しかしこの曲は無調の雰囲気を漂わせる声と淡々と流れるロマンティックなギター伴奏が絡み合って不思議な情感を醸し出しています。歌曲集の中でも最大の規模で3分以上演奏にかかります。

( 2016.08.04 藤井宏行 )


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