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芭蕉の俳句によるプロジェクション    
 
 
    

詩: 松尾芭蕉 (Matsuo Bashou,1644-1694) 日本
      

曲: 湯浅譲二 (Yuasa Joji,1929-) 日本   歌詞言語: 日本語


野ざらしを 心に風の しむ身哉

いのちふたつの なかに生きたる 櫻かな

夜ル竊ニ 虫は月下の 栗を穿ッ

海くれて 鴨の声 ほのかに白し

山も庭も うごきいるるや 夏座敷

あかあかと 日は難面も あきの風

月はやし 梢は雨を 持ちながら

枯朶に 鳥のとまりけり 秋の暮れ

冬の日や 馬上に氷る 影法師

旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る



芭蕉の俳句10句、最初と最後はたいへんに有名な句ですがあとはなかなかに渋いセレクション。混声合唱の男声には謡曲の伝統的発声を、女声には機械的な音も含めて多彩な響きを要求しながら不思議な音楽が紡ぎ出されて行きます。8番目の「枯朶に」だけビブラフォーンの伴奏がついていますが、あとは声の多彩な表現を楽しむ作品です。

( 2016.07.30 藤井宏行 )


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