Ach,im Maien war's Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder) |
世俗歌曲第20番「ああ、それは5月のことだった」 スペイン歌曲集_世俗歌曲集 |
Ach,im Maien war's,im Maien, wo die warmen Lüfte wehen, wo verliebte Leute pflegen ihren Liebchen nachzugehn. Ich allein,ich armer Trauriger, lieg' im Kerker so verschmachtet, und ich seh' nicht,wann es taget, und ich weiß nicht,wann es nachtet. Nur an einem Vöglein merkt' ich's, das da drauß im Maien sang; das hat mir ein Schütz getödtet geb' ihm Gott den schlimmsten Dank! |
ああ、それは5月のことだった 暖かい風がそよぎ 恋にうかれた男たちが かわいい娘を追い回す5月のことだった 僕はただひとり哀れに惨めに 地下牢の中、ひどくやつれて横たわっていた 夜明けを見ることもできず いつ日が暮れたのかも知らずに 外で鳴く一羽の小鳥だけが 僕に歌で5月を知らせてくれた だが猟師がその小鳥を射ち殺してしまった・・・ 神様、そいつに大きな天罰をお与えください! |
一見地下牢に幽閉された男の深刻な詩のようですが、ヴォルフの作曲はセレナード風の軽やかなものです。原詩はともかく作曲者が2節、3節を恋の隠喩ととっているのは間違いないでしょう。演奏はヴォルフ協会のエルプ、フィッシャー=ディースカウ二種、ベーアなどがありますが、ここではロマンティックで悲しげでしかし楽天的なプライの歌が絶妙にはまっていて楽しめます(独フィリップス「リートエディション」)。
( 2003.4.24 甲斐貴也 )