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夏は来ぬ    
 
 
    

詩: 佐佐木信綱 (Sasaki Nobutsuna,1872-1963) 日本
      

曲: 小山作之助 (Koyama Sakunosuke,1863-1927) 日本   歌詞言語: 日本語


卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ

さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ

橘の 薫る軒端(のきば)の
窓近く 蛍飛びかい
おこたり諌むる 夏は来ぬ

楝(おうち)ちる 川べの宿の
門(かど)遠く 水鶏(くいな)声して
夕月すずしき 夏は来ぬ

五月(さつき)やみ 蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き 卯の花咲きて
早苗植えわたす 夏は来ぬ



日本歌曲でも屈指の名曲ではないでしょうか。初夏の爽やかな風物を織り込んで流麗なメロディが紡ぎ出されて行きます。今回取り上げるにあたり歌詞を最後までじっくりと読んだのですが、めったに取り上げられない3番に「螢の光」のパロディがあったりしてなかなか面白いですね。作詞の佐佐木信綱がたいへんな長命でしたのでついこの間まで著作権が切れておらずようやくこのサイトでも取り上げることができました。

( 2016.07.19 藤井宏行 )


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