Frühlingslied WAB. 68 |
春の歌 |
Leise zieht durch mein Gemüt Liebliches Geläute, Klinge,kleines Frühlingslied, Kling hinaus ins Weite. Kling hinaus bis an das Haus, Wo die Blumen sprießen, Wenn du eine Rose schaust, Sag,ich laß sie grüßen. |
そっと惹かれて行く わが心を越えて この愛らしい鈴の音は 響け 小さな春の歌よ 響け はるか遠くまで 響いてくれ あの家のところまで あの花たちのつぼみが開くところまで もしお前が一輪のバラに出会ったなら 告げてくれ ぼくは彼女にあいさつしに来たと |
ハイネの詩につけたピアノ伴奏の独唱曲なんていうのがブルックナーにあるとは思いもよりませんでしたが、Gramola Recordsというところからリリースされているロベルト・ホルツァーのバスによるなかなか美しい曲が耳にできました。20代なかばの1851年、まだ詩人も存命の頃です。
詩はグリーグが曲をつけている愛らしい春の一篇(グリーグのタイトルは「あいさつ(Gruß)」です。
( 2016.07.10 藤井宏行 )