Herz,verzage nicht geschwind Spanisches Liederbuch(Weltliche Lieder) |
世俗歌曲第11番 『すぐに弱気になるんじゃないよ』 スペイン歌曲集_世俗歌曲集 |
Herz,verzage nicht geschwind, weil die Weiber Weiber sind. Argwohn lehre sie dich kennen, die sich lichte Sterne nennen und wie Feuerfunken brennen. Drum verzage nicht geschwind, weil die Weiber Weiber sind. Laß dir nicht den Sinn verwirren, wenn sie süße Weisen girren; möchten dich mit Listen kirren, machen dich mit Ränken blind; weil die Weiber Weiber sind. Sind einander stets im Bunde, fechten tapfer mit dem Munde, wünschen,was versagt die Stunde, bauen Schlößer in den Wind; weil die Weiber Weiber sind. Und so ist ihr Sinn verschroben, daß sie,lobst du,was zu loben, mit dem Mund dagegen toben, ob ihr Herz auch Gleiches sinnt; weil die Weiber Weiber sind. |
すぐに弱気になるんじゃないよ 女はどうせ女なんだから 疑ってみればよくわかる 私の愛は輝く星よとか言ってるが 本当は火花がいいところさ だからすぐに弱気になるんじゃないよ 女はどうせ女なんだから 甘ったるく鼻を鳴らそうが 心乱されちゃいけない 手練手管で取り入って 目くらにしようっていう腹だ 女はどうせ女なんだから 女というやつはいつも寄り集まって ぺちゃくちゃとしゃべり合い 無駄に時間をつぶしては ありもしないことをでっちあげる 女はどうせ女なんだから そしてあいつらはひねくれていて いいところをほめてやっても 何だかんだと難くせをつける 本心はうれしいくせに 女はどうせ女なんだから |
直訳すれば「Herz, (心よ、)」が頭に来るわけですが、この言い回しは日本語にするとどうにもしっくりしないように思うので、思い切って省略してみました。それでも独白の感じは出ているでしょうか。また、既存の訳はほとんど「気落ちするのはまだ早い」など、落胆=失恋のニュアンスになっていますが、わたしはこの詩はそうではなく、好きになってしまって強がりを言っているのではないかと思うので「弱気」にしてみました。
ヴォルフの曲は大変ユーモラスなもので、勇ましい罵倒と情けない弱気が極端な対比をみせて笑いを誘います。演奏は戦前のエルプ(テノール:ヴォルフ協会)、フィッシャー=ディースカウ3種(EMIの選集とDGの全集、オルフェオのオケ版)、ベーア、そしてプロチュカ(テノール:カプリチオ)。それぞれ楽しく聴けるものの、こういう諧謔的な曲になるとやはりF=D氏の独壇場です。
( 2003.1.19 甲斐貴也 )