在銀色的月光下 |
銀色の月の光の下 |
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金色の砂漠の上に 銀色の月の光がさしている 昔を思い出そうにも はっきり思い出せはしない 昔を思い出そうにも はっきり思い出せはしない はっきり思い出せはしない まるで夢を見ているよう あなたはいったいどこにいる 私をすてたあの娘 あなたはいったいどこにいる 私をすてたあの娘 私は馬にまたがって 矢のように大地を飛翔する 飛べ飛べわが馬よ あの娘の行ったところへと 飛べ飛べわが馬よ あの娘の行ったところへと |
広い中国ですから、そこで歌われる民謡の多彩さはそれはもう驚くほどです。特に西端の内陸部・新疆ウイグル自治区はウイグル族をはじめ、ウズベクやカザフ、キルギスにタジクと、中央アジアの諸民族が入り乱れて大変多様な民俗音楽が聴かれるところのようです。
そんな中、この地の少数民族であるタタール族に伝わるのがこの民謡なのだそうで、およそステレオタイプの中国音楽とはかけ離れた不思議な音楽です。
音程の跳躍するところなど、メキシコの作曲家ポンセの書いた「エストレリータ」を思わせるような鮮烈さですが、あの曲と同じようにとことんロマンティックな味わいが大変美しいです。これぞ多民族が入り乱れる中で磨き抜かれたシルクロードの音楽といったところでしょうか。ロシア民謡としても歌われていて(Над серебряной рекой:銀色の川の上で)ロシア語で聴くとまた違った味わいです。こちらも去って行った恋人を懐かしむ内容の歌。
このあたりの民謡を題材にして中国の「新民謡」たるジャンルを開拓した王洛賓(Wang-Luopin)がオリジナルの歌詞をつけたのがこの曲です。
( 2016.07.04 藤井宏行 )