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Sérénade   Op.5-4  
  Quatre poèmes pour voix,alto et piano
セレナーデ  
     声とヴィオラとピアノのための4つの詩

詩: ヴェルレーヌ (Paul Verlaine,1844-1896) フランス
    Poèmes saturniens (1866)  Sérénade

曲: レフラー (Charles Martin Loeffler,1861-1935) フランス→アメリカ   歌詞言語: フランス語


Comme la voix d'un mort qui chanterait
Du fond de sa fosse,
Maîtresse,entends monter vers ton retrait
Ma voix aigre et fausse.

Ouvre ton âme et ton oreille au son
De la mandoline:
Pour toi j'ai fait,pour toi,cette chanson
Cruelle et câline.

Je chanterai tes yeux d'or et d'onyx
Purs de toutes ombres,
Puis le Léthé de ton sein,puis le Styx
De tes cheveux sombres.

Comme la voix d'un mort qui chanterait
Du fond de sa fosse,
Maîtresse,entends monter vers ton retrait
Ma voix aigre et fausse.

Puis je louerai beaucoup,comme il convient,
Cette chair bénie
Dont le parfum opulent me revient
Les nuits d'insomnie.

Et pour finir,je dirai le baiser
De ta lèvre rouge,
Et ta douceur à me martyriser,
-- Mon Ange! -- ma Gouge!

Ouvre ton âme et ton oreille au son
De ma mandoline:
Pour toi j'ai fait,pour toi,cette chanson
Cruelle et câline.

まるで 死んだ者の声が歌っているみたいだろ
そいつの墓の底から
お嬢さん 聞いてくれ 君の隠れ場所から出て来て
ぼくの苦々しい 調子っぱずれの声を

開いてよ 君の魂を 君の耳を
このマンドリンの音に
君のために作ったんだ 君のために この歌を
残酷で 愛らしい歌を

ぼくは歌うんだ 君の金と瑪瑙の瞳のことを
すべての影の純粋さを
それから君の胸の忘却の川と 黄泉の国のことを 
君の黒髪の

まるで 死んだ者の声が歌っているみたいだろ
そいつの墓の底から
お嬢さん 聞いてくれ 君の隠れ場所から出て来て
ぼくの苦々しい 調子っぱずれの声を

それからぼくは一杯讃えるのさ お誂え向きに
この祝福された肉体を
その豪華な香水はぼくに思い出させるのさ
眠れぬ夜のことを

そして最後に ぼくはキスのことを言おう
君の赤い唇の
そして君の愛らしさがぼくを苦しめるんだ
- ぼくの天使! - ぼくの妖婦!

開いてよ 君の魂を 君の耳を
このマンドリンの音に
君のために作ったんだ 君のために この歌を
残酷で 愛らしい歌を

邪悪で毒々しいセレナーデ、ヴィオラのピチカートも効果的に、つれない女への恨み言を歌います。レフラーの書いたヴィオラとピアノ伴奏のこの歌曲集の中にあっても最も印象的な曲ではないでしょうか。ヴェルレーヌの初期の詩集「サテュルニアン(土星人)詩集」よりとられたこの詩、なかなかに辛辣な内容です。こんなのを窓辺で歌われたら嫌がらせの極みですね。
この歌曲集、メゾの白井光子さんが録音したものがあり、伴奏の雄弁さ共々なかなかに聞き惚れてしまいました。

( 2016.07.03 藤井宏行 )


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