An old carol Op.25-3 Six songs |
昔のキャロル 6つの歌 |
I sing of a maiden That is matchless; King of all kings To her son she chose. He came all so still There his mother was, As dew in April That falleth on the grass. He came all so still To his mother's bower, As dew in April That falleth on the flower. He came all so still There his mother lay, As dew in April That falleth on the spray. Mother and maiden Was never none but she; Well may such a lady Goddes mother be. |
私は歌います ひとりの乙女 類い稀なるお方のことを 王の中の王であるお方に 彼女の息子を 彼女はなし給うたのです 彼はひそやかにやって来られました 御母の居られるもとへと まるで四月の露が 草の上に降りるように 彼はひそやかにやって来られました 御母の居られる馬屋へと まるで四月の露が 花の上に降りるように 彼はひそやかにやって来られました 御母の休まれているもとへと まるで四月の露が 枝の上に降りるように 母にして乙女であるのは 彼女の他にはひとりとして居られませんでした このような高貴な女性こそがふさわしいのです 神の母となられるのには |
14世紀の作者不明のキャロル。ここでは現代語に訳されておりますがこちらの訳者も不詳なようです。4月というのはちょうど聖処女マリアがイエスを身籠った時期ですね。同じキャロルは現代語訳が微妙に異なっておりますがブリテンが「キャロルの祭典」の中で取り上げたものもあります。
( 2016.06.26 藤井宏行 )