La ricordanza |
追憶 |
Era la notte,e presso di Colei Che sola al cor mi giunse e vi sta sola, Con quel pianger che rompe la parola, Io pregava mercede a martir miei. Quand' Ella,chinando gli occhi bei, Disse (e il membrarlo sol me,da me invola): Ponmi al cor la tua destra,e ti consola: Ch'io amo e te sol' amo intender dei, Poi fatta,per amor,tremante e bianca, In atto soävissimo mi pose La bella faccia sulla spalla manca. Se dopo il dolce assai più duol l'amaro; Se per me nullo istante a quel rispose, Ah! quant' era in quell' ora il morir caro! |
それは夜だった あのひとのそばで 私の心にただひとり響き そしてあなたしかいないひとの 泣きながら言葉を詰まらせて 私は祈った 私の苦しみの報いとして そのとき彼女は その美しい瞳を伏せながら こう言った(それを思い出すと 気を失いそうだ): この胸に当ててください あなたのその右手を あなたを慰めて差し上げましょう 私はあなたを愛しています あなただけを愛し続けるでしょう それから 愛のために震え 蒼白となって やさしく載せてくれたのだ そのきれいな顔を 私の左肩の上に もしこの甘美さの後にずっと辛い悲しみが待っていようと もし私にとってどんな時もあれと比べものにはならないにしても ああ!あの時ほど死が愛おしかった時はなかったのだ! |
なかなか艶めかしい詩に楚々としたメロディがついて大変に印象的な歌です。夭折したベッリーニの最後の歌曲のひとつで比較的最近発見されたもののようですが、けっこう隠れた人気があるようです。
( 2016.06.19 藤井宏行 )