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Sonnet 12    
  Three Sonnets of Shakespeare
ソネットXII  
     シェイクスピアの3つのソネット

詩: シェイクスピア (William Shakespeare,1564-1616) イングランド
    Sonnets 12 When I do count the clock that tells the time

曲: ラウタヴァーラ (Einojuhani Rautavaara,1928-2016) フィンランド   歌詞言語: 英語


When I do count the clock that tells the time,
And see the brave day sunk in hideous night;
When I behold the violet past prime,
And sable curls all silver'd o'er with white;

When lofty trees I see barren of leaves
Which erst from heat did canopy the herd,
And summer's green all girded up in sheaves
Borne on the bier with white and bristly beard,

Then of thy beauty do I question make,
That thou among the wastes of time must go,
Since sweets and beauties do themselves forsake
And die as fast as they see others grow;

And nothing 'gainst Time's scythe can make defence
Save breed,to brave him when he takes thee hence.

私が時を告げる時計の音を数え
そして華やかな昼が不気味な夜に沈むのを見る時
私が盛りを過ぎたスミレを見つめ
黒かった髪がすっかり白銀に変わるのを見る時に

巨大な木々が葉をすっかり落としてしまったのを見る時に
かつては暑さから家畜たちを守った木々を
夏の緑の麦が束になって縛られ
荷車に載せられて運ばれるのを 白く硬い髭のようになって

そんな時に君の美しさを私は思うのだ
君もまた時の荒廃の中を行かねばならないのだと
やさしさも 美しさもみな衰えて
死んで行くのだから 新しいものが育って行くのに合わせて

何ものも時の大鎌に逆らうことはできないのだ
子孫の他は 時に立ち向かえない 君が連れ去られるときには

ラウタヴァーラの3つのシェイクスピアのソネット、前の曲とは立場が変わって今度は相手の老いをはかなんでいるような内容です。最後はちょっと余計なお世話感がありますがなかなかに含蓄のある内容の詩です。メロディは前の曲の物憂さをここでも引き摺って重たく澱んでいます。

( 2016.06.18 藤井宏行 )


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