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Beglückt,wer vom Getümmel   Op.33  
  Die schöne Magelone
幸せな人です この世の喧騒から  
     美しきマゲローネ

詩: ティーク (Johann Ludwig Tieck,1773-1853) ドイツ
    Liebesgeschichte der schönen Magelone und des Grafen Peter von Provence 17 Beglückt,wer vom Getümmel

曲: 作曲者なし (,-)    歌詞言語: ドイツ語




Beglückt,wer vom Getümmel
Der Welt sein Leben schließt,
Das dorten im Gewimmel
Verworren abwärts fließt.

Hier sind wir all befreundet,
Mensch,Tier und Blumenreich,
Von keinem angefeindet
Macht uns die Liebe gleich.

Die zarten Lämmer springen
Vergnügt um meinen Fuß,
Die Turteltauben singen
Und girren Morgengruß.

Der Rosenstrauch mit Grüßen
Beut seine Kinder dar,
Im Tale dort der süßen
Violen blaue Schar.

Und wenn ich Kränze winde,
Ertönt und rauscht der Hain,
Es duftet mir die Linde
Im goldnen Mondenschein.

Die Zwietracht bleibt dahinten,
Und Stolz,Verfolgung,Neid,
Kann nicht die Wege finden
Hieher zur goldnen Zeit.

Vor mir stehn holde Scherze
Und trübe Sorge weicht;
Allein mein innres Herze
Wird darum doch nicht leicht.

Weil ich die Liebe kannte
Und Blick und Kuß verstand,
So bin ich nun Verbannte
Weitab im fernen Land.

Die Freude macht mich trübe,
Dunkelt den stillen Sinn,
Denn meine zarte Liebe
Ist nun auf ewig hin. --

Erinnre und erquicke
Dich an vergangner Lust,
Am schwermutsvollen Glücke,
Denn sonst zerspringt die Brust.

Die Morgenröte lächelt
Mir zwar noch ofte zu,
Und matte Hoffnung fächelt
Mich dann in schönre Ruh:

Daß ich ihn wiederfinde,
Den ich wohl sonst gekannt,
Und daß sich um uns winde
Ein glückgewirktes Band.

Wer weiß,durch welche Schatten
Sein Fuß schon heute geht,
Dann kömmt er über Matten
Und alles ist verweht,

Die Seufzer und die Tränen,
Sie löscht das neue Glück,
Und Hoffen,Fürchten,Sehnen
Verschmilzt in einen Blick

(この詩はブラームスの歌曲集では取り上げられておりません)

幸せな人です この世の喧騒から
自分の暮らす世界を切り離せる人は
俗世では 群衆の中に
巻き込まれて遠くへ流されて行くだけですから

ここは 私たち皆が仲良しの
人や 獣や 花たちの王国
誰からも敵意を受けず
私たちを愛がひとつにするのです

やさしい子羊たちが飛び跳ねます
陽気に私の足元で
キジバトたちも歌います
求愛の朝の挨拶に

バラの木も挨拶に
彼の子供たちを紹介するし
あの谷間でも 甘い
スミレたちの青い一団が

そして私が花輪を編むとき
音を立ててざわめく林
私のもとに香ってくるリンデの木
黄金の月明かりの下で

仲たがいは 遥か彼方に居て
そして傲慢も 迫害も 嫉妬も
道を見つけることはできません
こちらの黄金の時の方へは

私の前には心地よい楽しみ
悲しい悩みごとは引っ込んでいます
けれど 私の心の底は
そうであっても軽やかにはなれないのです

私が愛を知ってしまったから
そして眼差しやキスの意味も
それで私は今 追放されて
遥か遠くのこの土地に来ているのです

あの喜びが私を悲しませ
翳らせるのです この静かな想いを
だって私のやさしい恋人は
永遠に去って行ってしまったのだから -

思い出し 元気づけるのです
お前を 過ぎし日の喜びや
嘆きに満ちたあの運命のことを
そうでなければ心が張り裂けてしまうから

朝焼けはほほ笑みかけてくれています
私に向かって もう何回も
するとかすかな希望が扇ぎかけてくれるのです
私を そしてもっと心地よい安らぎへと

私はあの方に再び会えるのだと
昔心を通わせていたあの方に
そして私たちを結び付けてくれるのだと
幸せが織りなした帯が

誰が知りましょう どこの物陰から
あの方の足取りが今日にも現れるかなど
そうしたら あの方は草地を通って来られるでしょう
そしてすべてが消え去るの

ため息も 涙も
みな消し去ってくれる 新たな幸せが
そして希望も不安も憧れも
溶け合ってたったひとつの眼差しになるでしょう


彼は歌ったあと激しく泣き出しました。涙でかすんだ目で花たちを見渡し、そこにマゲローネの面影を認めながら彼はいつしか眠りについてしまったのです。

続く第17章「ペーターは漁師たちに助け出される(Peter wird von Fischern aufgefunden)」
その頃順風が吹いてきましたので、乗組員たちは急いで船に戻り出航の準備をします。帰って来ないペーターの名を皆は呼びましたが応答はありません。やむなく彼らを乗せた船は岸を離れて行きます。
しばらくして爽快な気分で目覚めたペーターは、船がいなくなっていることに愕然とします。故郷に戻れる希望が再び失われたのですから。彼はばったりと倒れて意識を失います。
再び夜になると、何人かの漁師たちが島に渡ってきます。彼らは倒れているペーターを見つけると、彼を介抱しようと小舟に乗せて島をあとにします。海辺に住む羊飼いの老夫婦のところに連れて行けば介抱を頼めるだろうと思ったのです。舟の中で意識を回復したペーターは漁師たちに感謝すると、その羊飼いの小屋へとひとり向かうのでした。
小屋の戸口の前には一人の細身の美しい乙女が座ってこんな歌を歌っていました。

これもブラームスの歌曲集では省略されています。ドラマ的には有った方が良い歌ですが、マゲローネが歌うという設定上の制約と、そしてとにかく長いことがネックになりますね。

( 2016.03.21 藤井宏行 )


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