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When icicles hang by the wall    
 
つららが壁に垂れ下がり  
    

詩: シェイクスピア (William Shakespeare,1564-1616) イングランド
    Love's Labour's Lost (恋の骨折り損) Act.5 Scene.2 When icicles hang by the wall

曲: ブライアン (William Havergal Brian,1876-1972) イギリス   歌詞言語: 英語


When icicles hang by the wall
And Dick the shepherd blows his nail,
And Tom bears logs into the hall,
And milk comes frozen home in pail;

When blood is nipt and ways be foul,
Then nightly sings the staring owl:
Tu-whit! Tu-who! -- A merry note!
While greasy Joan doth keel the pot.

When all aloud the wind doth blow,
And coughing drowns the parson's saw,
And birds sit brooding in the snow,
And Marian's nose looks red and raw;

When roasted crabs hiss in the bowl
Then nightly sings the staring owl:
Tu-whit! Tu-who! -- A merry note!
While greasy Joan doth keel the pot.

つららが壁に垂れ下がり
そして羊飼いディックが手に息吹きかけ
そしてトムは薪を広間に運び込んで
それからミルクはバケツん中で凍って家にやってくる時

血が凍りつき 道がぬかるむ時にゃ
夜ごとに歌うよ 見張りのフクロウは
トゥ-イー!トゥ-ウー!陽気な音だ!
脂ぎったジョアンが鍋掻き回す

辺り中に風吹きすさび
咳が呑み込む時 牧師の説教を
そして鳥たちゃ卵抱えて雪ん中うずくまって
マリアンの鼻は真っ赤にしもやける時

焙った野リンゴがボウルの中でシューシュー言う時にゃ
夜ごとに歌うよ 見張りのフクロウは
トゥ-イー!トゥ-ウー!陽気な音だ!
脂ぎったジョアンが鍋掻き回す



「恋の骨折り損」大詰めの第5幕第2場、春と冬とに扮した訳者たちがそれぞれ春の歌と冬の歌を歌います。春の歌の方は以前ストラヴィンスキーが曲をつけたものを取り上げております。こちらの冬の曲ではあまり有名な人のつけたものは多くなく、クィルターの曲が多少目につく程度でしょうか。イギリスの異彩、ハーヴァーガル・ブライアンがなぜかその多くない歌曲の中でこの詩に食指を動かしております。ピアノの前奏からはっちゃけて息を呑むようなインパクトのある音楽が展開します。

( 2016.02.28 藤井宏行 )


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