TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Majority    
 
マジョリティ  
    

詩: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ
      

曲: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ   歌詞言語: 英語


The Masses! The Masses! The Masses have toiled,
Behold the works of the World!
The Masses are thinking,
Whence comes the thought of the World!
The Masses are singing,
Whence comes the Art of the World!
The Masses are yearning,
Whence comes the hope of the World.
The Masses are dreaming,
Whence comes the visions of God!
God's in His Heaven,
All will be well with the World!

大衆だ!大衆だ!大衆は働いてきた
見よ この世の労働を!
大衆は考えている
どこから来るのだ この世の思考は!
大衆は歌っている
どこから来るのだ この世の芸術は!
大衆は焦がれている
どこから来るのだ この世の希望は!
大衆は夢見ている
どこから来るのだ この世の希望は!
神は御みずからの天におわす
すべてがうまく行くだろう この世は!


巨大な鐘が鳴り響いているようなピアノの不協和音の連打が前奏としてしばらく続いた後、おもむろに歌われ始める大衆賛歌。奥田恵二氏による「アメリカ音楽の誕生」(河出書房新社)のこの歌に関わる記述によれば、「人間の善性の信頼を生活信条にし、正義はかならず多数派にあると信じていたアイヴズ」とありますように、彼の信条に深く根差した歌なのですね。それもあってこれだけの長さの歌詞ですが、演奏には7分ほどかかる、歌曲としては少々ヘビーなものとなりました。
この本では曲のタイトルを「多数派」としております。あるいは「大衆」「民衆」といった訳を当てられることもありますが、「マジョリティ」という語をそのまま使うのがニュアンスとしても一番自然なようなのでここではそうすることにします。また1914年、1916年と作曲年にも所説あるようですが、1921に改訂をして最終版としているようなのでそこを作曲年とします。その年に出版された「114の歌曲」では栄えある第1曲目にされています。

( 2016.02.27 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ