Suzon |
シュゾン |
Adieu Suzon,ma rose blonde, Qui m'a aimée pendant huit jours; Les plus courts plaisirs de ce monde Souvent font les meilleurs amours. Sais-je,au moment où je te quitte, Où m'entraîne mon astre errant? Je m'en vais pourtant,ma petite, Bien loin,bien vite, Toujours courant. Je pars,et sur ta lèvre ardente Brüle encor mon dernier baiser. Entre mes bras,chère imprudente, Ton beau front vient se reposer. Sens-tu mon coeur,comme il palpite? Le tien,comme il battait gaiement! Je m'envais pourtant,ma petite, Bien loin,bien vite, Toujours t'aimant. Que de tristesse,et que de charmes, Tendre enfant,dans tes doux adieux! Tout m'enivre,jusqu'à tes larmes, Lorsque ton coeur est dans tes yeux, A vivre ton regard m'invite; Il me consolerait mourant. Je m'en vais pourtant,ma petite, Bien loin,bien vite, Tout en pleurant. Adieu Suzon... |
さよならシュゾン、ぼくのブロンドのバラ ぼくを8日間だけ愛した人よ この世で一番短い喜びが ときには最高の愛になるのさ ぼくは知るだろうか、きみから去るときに ぼくのさまよえる星がぼくをどこへと導くのかを? それでもぼくは行くのさ、いとしい人よ とても遠くへ、とてもすばやく、 ずっと駆けてゆく ぼくはゆく、だけどきみの熱いくちびるが まだ燃えているよ ぼくの最後のくちづけで ぼくの腕は、愛しいお調子者よ きみの美しい顔を憩わせたばかりだ きみは感じるだろうか ぼくの心がどんなに高鳴っているのかを? きみの心も、何と楽しげに鳴っていたか! それでもぼくは行くのさ、いとしい人よ とても遠くへ、とてもすばやく、 ずっと駆けてゆく 何という悲しみ 何という魅力 優しい子よ きみの甘いお別れの中にあるんだ みなぼくを酔わせる きみの涙までが きみの心がきみの瞳の中にあるんだから きみの眼差しに引き寄せられて生きること それはぼくを死へと誘惑することだ だからぼくは行くのさ いとしい人よ とても遠くへ、とてもすばやく、 涙を流しながら さよならシュゾン |
1880年にも同じ詩で「さよならシュゾン」という曲を書いておりますが、それから12年経って書いたのはかなり本格的なフランス語歌曲。マスネあたりが書いた作品だと言われても信じてしまいそうな出来栄えですが、よくよく聴くとメロディラインはいつものトスティ節に溢れていてなかなかに面白い作品です。ミュッセの原詩は5節からなりますが、この歌曲では1・2・4節が取り上げられて曲がつけられています。マッテウッツィの録音で1880年作の曲とともに収録されていて聴き比べができます。あまりの雰囲気の違いにのけぞること必至です。ですがどちらも良い曲です。
( 2016.02.23 藤井宏行 )