Berceuse |
ゆりかごの歌 |
O'er the mountain toward the west, as the children go to rest, Faintly comes a sound, a song of nature hovers round, 'Tis the beauty of the night; Sleep thee well till morning light. |
山の向こう 西に向かって 子どもたちがお休みする時には かすかに音が響いてくるの 自然の歌があたりに漂う それは夜の美しさ お前を眠らせるのよ 朝の光までぐっすりと |
この子守唄、黒人霊歌のようなうら淋しさを醸し出しながらしみじみとした感じがなかなか良いです。面白いのはブラームスの書いた有名な子守唄と同じ歌詞にアイヴズがメロディを付けた子守唄が別にありますが(Wiegenlied 1906) これとメロディがほぼ一緒であるということです。あちらの方で歌詞と音楽が見事にはまっていたところを見ると、この1903年の作曲時にすでにこのブラームスの曲をかなり意識していたのでしょう。そう思ってじっくり聴くと、確かに曲想とかリズムとかに通じるものがあるように思えてきました。アイヴズ自身の歌詞も何となくあちらのパロディっぽいですね。
( 2016.02.10 藤井宏行 )