On the counter |
カウンターで |
Tunes we heard in “ninety two,” soft and sweet, always ending “I love you” - phrases nice and neat; The same old chords,the same old time, the same old sentimental sound, Shades of ___ ___ ___ in new songs abound. |
俺たちが聞いてる曲は あの「ナインティツー」で 柔らかくて甘く みんな最後は「アイラブユー」だ - いけてる素敵なフレーズ 同じなじみの和音 同じなじみの時間 同じなじみのセンチメンタルなサウンド 似たようなものだ___ ___ ___に たくさんの新曲の |
洒落たバーのカウンターで1920年代のヒットソングを聞いているといった感じの、この時期の尖がった曲の多いアイヴズにしてはずいぶんとメロディラインのはっきりした美しい曲です。当時の流行作曲家チャールズ・キャドマンの「At Dawning(1906)」を下敷にしているという解説をネットで見つけましたが、曲のリズムの取り方とか全体の雰囲気は確かに良く似ています(それとこのキャドマンの曲がしつこいくらいに「アイラブユー」を連呼するところも)。最後の一行にある伏せ字は通常ヴォカリーズで歌われますが、初版では「Hawley,Smith and Nevin」となっていたのだそうです。この版で歌っている録音もいくつかありました。ちなみにこれらの名は当時の流行歌作家たちなのだそうです。
( 2016.02.13 藤井宏行 )