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Il pescatore canta!    
 
漁師は歌う!  
    

詩: マッツオーラ (Riccardo Mazzola,1892-1922) イタリア
      

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Hai le pupille così grandi e chiare
che dentro a quelle si rispecchia amore:
o bella,che cammini lungo il mare,
sovra la spiaggia canta un pescatore.

Un pescatore canta e se ne muore
e tu cammini e non ti vuoi fermare:
sorge la luna bianca come un fiore,
e il pescatore canta,dorme il mare,
e dorme il mare!

O bella,il cuor mio tutto era d'oro
e l'ho smarrito in una dolce sera;
v'erano tutte le sirene in coro
ma chi la ritrovò,bella,non c'era!

E il pescatore canta: amore,amore,
m'hai preso il cuore e non ti vuoi fermare!
Sorge la luna bianca come un fiore
e il pescatore canta e dorme il mare.
Ah!... Ah!...

君はとても大きく 明るい瞳をしてるね
その中に愛が映し出せるほどの
おお美しい人よ 海辺をそぞろ歩く
浜辺では歌ってるよ ひとりの漁師が

漁師は歌い 死んで行くのに
君は歩いてく 立ち止まろうともしない
昇って行く 白い月が 花のような
そして漁師は歌い 海は眠る
海は眠るのさ!

おお美しい人よ ぼくの心は黄金でできていたのに
なくしてしまったんだ あの素敵な夕暮れに
そこではシレーネたちが声を揃えて歌ってたけど
それを見つけた人は 美しい人よ いなかったんだ!

そして漁師は歌う:愛する人 愛する人よ
おいらの心を奪ったのに 立ち止まってもくれないのかい!って
昇って行く 白い月が 花のような
そして漁師は歌い 海は眠る
ああ!...ああ!...


トスティ晩年に集中的に取り上げられたマッツォーラの詩による歌曲のひとつ。これもまた傑作のひとつです。前奏のセンチメンタルなメロディから聴く者を惹き付けずにはおられませんし、暗く沈んだ前半が朗々と明るく歌い上げられる後半へと盛り上がっていくところはトスティの常套手段ではありますが、これほど見事であれば文句の付けようがありません。
この曲想の見事さとなかなか洒落た愛の詩とで、貫禄ある声のテノール歌手たちに愛唱されている感のある歌ですが、軽やかに爽やかに歌うシラグーザの歌が新鮮な響きで良かったです。またYoutubeではイタリアンポップス系の歌手による見事なカンツォーネがアップされていて面白かったです。ちょっと編曲の崩し方がクラシック音楽を聴く人には気に入らないかも知れませんが。

歌詞の訳で迷ったのは第3節のma chi la ritrovòのところ、ここの代名詞laでうける女性名詞がこの近くのどこにもないのです。ネイティブの監修を受けた全音の楽譜の訳ではこれを「彼女をみつけた者は」としておりますので逆らうのは気が引けるのですが、ここはどう考えても探しているのは「なくした心」ですので、「心」が男性名詞ですけれどもそれを受けていると解釈して訳して見ました。文法的に適切でもっと腑に落ちる訳をご存知の方はご教示頂けますとありがたいです。

( 2016.02.12 藤井宏行 )


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