Wie schnell verschwindet Op.33-11 Die schöne Magelone |
何とすばやく消えてしまうのでしょう 美しきマゲローネ |
Wie schnell verschwindet So Licht als Glanz, Der Morgen findet Verwelkt den Kranz, Der gestern glühte In aller Pracht, Denn er verblühte In dunkler Nacht. Es schwimmt die Welle Des Lebens hin, Und färbt sich helle, Hat's nicht Gewinn; Die Sonne neiget, Die Röte flieht, Der Schatten steiget Und Dunkel zieht. So schwimmt die Liebe Zu Wüsten ab, Ach,daß sie bliebe Bis an das Grab! Doch wir erwachen Zu tiefer Qual: Es bricht der Nachen, Es löscht der Strahl. Vom schönen Lande Weit weggebracht Zum öden Strande, Wo um uns Nacht. |
何とすばやく消えてしまうのでしょう こうして光も輝きも 朝が見つけるのは しおれた花輪なのです 昨日は燃えるような その盛りのうちにあったのに それは色あせてしまった 暗い夜の間に 波は流れ去って行きます この人生の波は遠くへと 明るく色づいていても それは何の役にも立ちません 太陽は沈み 夕焼けは消え去り 影が立ちのぼり そして暗闇がやってくる そんな風に愛も流れ去るのです 砂漠へと向かって ああ そのままでいてくれたらいいのに お墓に入るまで! けれど私たちは目覚めてしまう 深い苦しみのうちに 小舟は砕け散り 光は消えてしまう 美しい土地から 遠くへ連れて行かれるのです 荒れ果てた岸辺へと そこでは私たちのまわりは夜ばかり |
第12章「美しきマゲローネの嘆き(Die Klagen der schönen Magelone)」
目覚めたマゲローネは、恋人がそばにいないことに驚き、あたりを空しく探し回ります。もしや騙されたのでは?という疑いも頭をよぎりますが、馬がまだしっかりと繋がれているのを見て、これは何かあったに違いないと考えを変えます。もう一晩そこに留まったあと、彼女は馬たちを放してやり、そしてそまつな身なりに変えて歩き出したのです。何日も旅を続けた後に、彼女は海辺にある心地よい草原で暮らしている年老いた羊飼い夫婦のもとにやっかいになることになりました。老夫婦が出かけてひとりになることがあると、彼女は糸車を前にこんな嘆きの歌を口ずさむのでした。
いかにもブラームスらしいメロディのゆったりとした嘆きの歌です。マゲローネが歌うので実演においても他の曲は男性歌手が歌ってもこの曲とスルタンの娘が歌うという設定の第13曲は女性歌手が受け持つ、といったことも良くあるようです。ただ第13曲ほどはフェミニンではないので(歌詞もペーターの嘆きとして読んでも違和感はない)男声がそのまま歌うという方が多いように思います。
( 2016.02.06 藤井宏行 )