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Pierrot's Lament    
 
ピエロの嘆き  
    

詩: ウエザリー (Frederic Edward Weatherly,1848-1929) イギリス
      Pierrot's Lament

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: 英語


The stage is gay and bright,
the footlights gleaming
you hear me sing to-night,
with laughter beaming,

you see me laugh and play,
you call me funny,
How bright he is! you say,
how gay and sunny!

Ah,little laughing maid,
you do not know,
how many tears it costs
to make one gay Pierrot.

And when the play is done,
my little maiden,
back to your life you run,
with sunshine laden,

and if you think of me
perhaps you're saying,
“how gay his life must be,
it's only playing!”

Ah,little happy maid,
you do not know,
how many tears it costs
to make one gay Pierrot.

ステージは陽気に明るく
フットライトがきらめいてる
あんたも聞くだろう 俺が今夜歌うのを
晴れやかに笑いながら

あんたは俺が笑い ふざけるのを見て
俺をひょうきん者と呼ぶ
何て明るいの あの人! あんたは言うだろう
何て陽気で愉快なのかしら!と

ああ かわいい笑ってるお嬢さん
あんたは知らないんだ
どれほどたくさんの涙が流れているのかを
陽気なピエロになるためには

そして芝居が終わったら
かわいいお嬢さん
あんたの暮らしに戻ってくんだろ
太陽の輝きに満ちた

そしてもしあんたが俺のことを思ったら
たぶんあんたは言うんだろう
「きっと楽しいんでしょうね あの人の暮らしは
ふざけてるだけですものね!」と

ああ かわいい笑ってるお嬢さん
あんたは知らないんだ
どれほどたくさんの涙が流れているのかを
陽気なピエロになるためには

これも英語の詞につけた歌です。アマチュアではありましたが当時の流行歌の作詞ではたいへんな活躍をしたこのウエザリーですから、かなりベタな内容の歌謡詞ではありますが味わいのある内容を紡ぎ出しています。トスティのメロディは彼にしては地味めですが、悲し目のピエロの最初のつぶやきのところが、お嬢さんの台詞でほんのりと明るさを帯び、再びピエロのモノローグに戻っても長調のままながらも翳りを見せて終止形をとることなく終わると、愛らしいメロディが伴奏のピアノに現れて余韻を残します。目立たぬながらも味のある佳作と言えましょう。
ベン・ヘップナーの録音したトスティ歌曲集にあるものが圧倒的に素晴らしいです。

( 2016.01.26 藤井宏行 )


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