TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


The New River    
 
新たなる川  
    

詩: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ
      

曲: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ   歌詞言語: 英語


Down the river comes a noise!
It is not the voice of rolling waters.
It's only the sound of man,
phonographs and gasoline,
dancing halls and tambourine;
Killed is the blare of the hunting horn
The River Gods are gone.

川を下ってノイズがやってくる
それは流れる水の声ではない
それはもっぱら人間の出す音だ
蓄音機 ガソリンエンジン
ダンスホールにタンバリン
殺されるのは狩の角笛の響き
川の神々は去って行ってしまった


川が出てくると黒人霊歌を連想するところですが、ここで描写されているのは近代社会によって汚染された川の情景。ピアノの狂ったようなシンコペーションに歌もシニカルに絡みながら吐き捨てるように歌います。最後は嘆きに沈むように声は引き延ばされますが、叩きつけるピアノの強打で歌は幕を閉じるのでした。途中でピアノに出てくるジャズっぽい響きはダンスホールの描写でしょうか。暴力的な音楽の合間にちらっと姿をみせるのが粋なところです。
この音楽、最初は1906年に「破壊された川(Ruined River)」という歌詞のない重唱曲に、その後1911年には「ガソリン機関がハウサトニック川を殺す」という物騒な題の合唱と室内オーケストラ作品になり、現在良く演奏されるピアノ伴奏の独唱曲となったのは1921年のことのようです。1906年と1911年に書かれた作品は耳にできませんでしたが、1916年のオーケストラセット第1番に「Ruined River」の題で収録されているものを見つけられました。

( 2016.01.24 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ