Ruhe,Süßliebchen,im Schatten Op.33-9 Die schöne Magelone |
お休み 甘く優しいひとよ この木陰で 美しきマゲローネ |
Ruhe,Süßliebchen,im Schatten Der grünen,dämmernden Nacht: Es säuselt das Gras auf den Matten, Es fächelt und kühlt dich der Schatten Und treue Liebe wacht. Schlafe,schlaf ein, Leiser rauscht der Hain, Ewig bin ich dein. Schweigt,ihr versteckten Gesänge, Und stört nicht die süßeste Ruh'! Es lauschet der Vögel Gedränge, Es ruhen die lauten Gesänge, Schließ,Liebchen,dein Auge zu. Schlafe,schlaf ein, Im dämmernden Schein, Ich will dein Wächter sein. Murmelt fort,ihr Melodien, Rausche nur,du stiller Bach. Schöne Liebesphantasien Sprechen in den Melodien, Zarte Träume schwimmen nach. Durch den flüsternden Hain Schwärmen goldne Bienelein Und summen zum Schlummer dich ein. |
お休み 甘く優しいひとよ この木陰で 緑の 暗くなりゆく夜に 草は牧場の上でざわめいている 風を吹きかけ あなたを冷やしてくれるのだ この木陰は そして真実の愛は目覚めているよ お眠り 眠りにつくのだ 穏やかに林もさざめいている 永遠にあなたは私のものだ 静まれ 隠れた歌どもよ 乱すのではない この甘き安らぎを! 鳥たちの群れも耳を傾けて 騒がしい歌声も静かになっている 閉じなさい 恋人よ あなたの瞳を お眠り 眠りにつくのだ 黄昏の光の中 私があなたを見守っていよう 呟くのだ お前たちメロディーよ たださざめけ 静かな小川よ 美しき愛の幻影が 語りかけるのだ メロディーとなって 繊細な夢がそのあとを泳いでくる ささやきかける林を抜けて 群がるのは金のミツバチたち ハミングしている あなたを眠らせようと |
第10章「いかにしてマゲローネはかの騎士と逃亡したか(Wie Magelone mit ihrem Ritter entfloh)」
約束の夜、マゲローネが密かに表に出ると、ペーターは3頭の馬を仕立てて待っておりました。一頭は自分が乗り、もう一頭にマゲローネを、そしてもう一頭には駆け落ち用の荷を積んで逃げ出します。夜通し人気のない森を駆けた二人は、昼近くなって森の空き地で休むことにします。草の上にマントを広げたペーターの膝にマゲローネが頭を乗せて休み、愛の眼差しを交わしたあとマゲローネはひと眠りしようと目を閉じます。その頭の上でペーターは優しく歌いだすのでした。
この詩はこの歌物語の中でも人気があるのか、多くの作曲家がメロディをつけています。ブラームスのつけた曲も愛情に満ちた美しいもので、単独でもよく歌われます。ピアノのゆったりと刻むリズムに乗せて伸びやかな子守唄が奏でられて行きます。
( 2016.01.23 藤井宏行 )