Memories |
思い出 |
A. Very Pleasant We're sitting in the opera house; We're waiting for the curtain to arise With wonders for our eyes; We're feeling pretty gay, And well we may, “O,Jimmy,look!” I say, “The band is tuning up And soon will start to play.” We whistle and we hum, Beat time with the drum. We're sitting in the opera house; We're waiting for the curtain to arise With wonders for our eyes, A feeling of expectancy, A certain kind of ecstasy, Expectancy and ecstasy... Sh's's's. Curtain! B. Rather Sad From the street a strain on my ear doth fall, A tune as threadbare as that “old red shawl,” It is tattered,it is torn, It shows signs of being worn, It's the tune my Uncle hummed from early morn, 'Twas a common little thing and kind 'a sweet, But 'twas sad and seemed to slow up both his feet; I can see him shuffling down To the barn or to the town, A humming. |
A とても陽気に 私たちはオペラハウスで座ってる 待っているんだ 幕が上がって 私たちの目をびっくりさせてくれるのを 私たちはかなり陽気だ それも無理もない. 「おお ジミー 見て!」私は言う 「バンドが音合わせしてる すぐに演奏が始まるよ」と 私たちは口笛吹き ハミングする 拍子を取る ドラムに合わせて 私たちはオペラハウスで座ってる 待っているんだ 幕が上がって 私たちの目をびっくりさせてくれるのを わくわくする感じ ある種のエクスタシー わくわく感とエクスタシー… シーッ 幕開きだ! B かなり悲しく 通りからとある節が私の耳に聞こえてくる その節は相当の懐メロだ「古い赤いショール」みたいな ボロボロで 擦り切れて すっかり使い古されたみたいだ それは私の伯父さんがハミングしてた曲だ 朝早くから ありきたりのちょっとした節で ちょっと甘ったるく だけど悲しくて 彼の足の動きを鈍らせてるようだ 私には見える 彼が脚を引きずって歩いて行くのを 納屋だか 町だかに ハミングしながら… |
とても変化に富んでエンターテイメント性抜群な上にメロディが奇麗なので、アイヴズの歌曲の中では大変よく取り上げられる歌です。二部構成になっていて最初のA とても陽気に は英語の早口が小気味よく飛び跳ね、途中口笛まで入ってゴキゲンこの上ない歌。最後の「カーテン!」は歌手自身が叫ぶこともありますが、ピアノ伴奏者が叫ぶことも多く(Youtubeの動画では譜めくりのアシスタントが叫んでるのもありました)、一転して2曲目の「かなり悲しく」はノスタルジックにゆったりと。とても耳に優しいメロディなので、ここで言及されている「old red shawl」という曲の引用かなとも勘ぐったのですが突き止められず。もしアイヴズのオリジナルであれば彼もなかなかのメロディメーカーです。
最後をこちらはハミングで締めて、余韻を残して終わります。
( 2016.01.18 藤井宏行 )