Laulun mahti JS118 |
歌の力 |
Kuurinmaata kunnialla Kaukovalta vallitsee. Siitä maine kauas kautta maiden mainitsee. Virolaisen vihaks’ käypi Lätin kansan kunnia. Sota syttyy,kalvat kalskaa,jousi nuolta jouduttaa. Taisto tuima,taisto tuima sortaa,surmaa kaupungin. Oi,oi,sortaa,surmaa kaupungin! Nuijat,keihäät,tammivarret miesten päitä halkoilee! Oi,oi,miesten päitä halkoilee! Mutta linnan akkunahan vaidelootti ilmestyy, harmaahapsi valkoparta,kainalossa kantele. Kantele soipi,laulavi vanhus, käsistä urhoin asehet vaipuu, torven toitotukset taukoo,sotatorvet laantuu. Laulun kilpi torjuvi nuolet, soiton kaiku häätävi melskeen laulun mahti, tyyntyvi vimma,tenho kantelen voiton tuo. |
このクルランドを 気高き者が統治するのだ 遠方王と呼ばれ その評判は遠い国にまで響き渡っている エストニアの者たちは妬み始める ラトビア人の栄光を 戦争が始まり 剣はぶつかり合い 弓は矢を放つ 激しい戦いが 激しい戦いが起こり 街を破壊する おお おお 沸き起こり 街を破壊するのだ! 槌が 槍が 樫の棍棒が人々の頭をかち割る! おお おお 人々の頭をかち割るのだ! だが 城の窓辺に一人の人影が現れる 白髪の男だ 腕には竪琴を抱えている 竪琴を弾き 歌を歌うのだ その老人は すぐに兵士たちはみずからの武器を置き 角笛は静まり 喇叭は鳴りやむ 歌の盾が敵の矢を跳ね返し 歌の力が争いを追い払う 戦は鎮まった 竪琴の調べが勝利したのだ |
これはシベリウスの作品ではなく、ラトヴィアの作曲家ヤーセプス・ヴィートリス (Jazeps Vitols (1863-1948))の書いた管弦楽伴奏によるカンタータ「ベヴェリンの歌い手(Beverīnas dziedonis)」が原曲です。シベリウスはこの曲の歌詞をフィンランド語に訳したものをアカペラの男声合唱曲に編曲しただけですので厳密にはシベリウスの作品とは言えないのですが、シベリウスの男声合唱作品集などでは非常に良く取り上げられておりますのでご紹介しておきましょう。
原曲のヴィートリスの作品もラトヴィアでは人気があるのでしょうか。さすがグローバルなYoutubeにはいくつかアップロードされていてオリジナルを聴くことができました。透明感あふれるロシア民謡といった風情の味わいでなかなか素晴らしい作品でした。シベリウスの編曲はアカペラになった分さらに透明感が増して、ロシアの重厚さから遠ざかったような感じがします。
歌詞はラトヴィアの隣国エストニアとの戦争になった時、古代ラトヴィアの魔術師ヴァイデロートの歌の力によって戦争はラトヴィアの勝利となった、という伝説に基づいています。
( 2016.01.14 藤井宏行 )