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Invano!    
 
虚しくも!  
    

詩: パリアーラ (Rocco Emanuele Pagliara,1856-1914) イタリア
      

曲: トスティ (Francesco Paolo Tosti,1846-1916) イタリア   歌詞言語: イタリア語


La serenata ch'io ti cantava
era una lenta nenia d'amor;
nei tristi accordi,io ti narrava
tutto lo spasimo del mio dolor!
Ma invan,tremando,la mia canzone
come un lamento saliva al ciel;
tra' verdi rami del tuo balcone,
tu sorridevi,bella e crudel!

Or la romanza che ti ripeto
con altri accenti vola dal cor;
vibra nel ritmo fremente e lieto
una gioconda storia d'amor!
Ma invano echeggia la mia canzone
nel novo metro gaia e fedel:
tra i vezzi rami del tuo balcone
tu non sorridi,bella e crudel!

Ah! Ah!

ぼくが君に歌ったセレナーデは
ゆるやかな愛の追悼の歌だった
この悲しい調べのうちに ぼくは君に語ったんだ
ぼくの痛みのすべての喘ぎを!
だけど虚しく 震えながらぼくの歌声は
嘆きとなって天に昇って行った
君のバルコニーの 枝の間で
君はほほ笑んでいたね 美しくて酷い人よ!

いま君に繰り返すこのロマンツァは
また別の言葉を この胸から飛び立たせる
揺れる幸せなリズムで奏でるんだ
愛の喜びあふれる物語を!
だけど虚しくこだまするだけだ ぼくの歌声は
陽気で誠実なこの新しい曲も
君のバルコニーの 枝の間で
君はほほ笑みもしない 美しくて酷い人よ!

ああ!ああ!


「甲斐なきセレナータ」という邦題で、かつては日本でもとてもポピュラーだったトスティの歌のようです。実際情けなさの中にもユーモアがあってなかなか素敵な歌だと思うのですが、ざっと探した範囲でも往年の歌手のSP復刻を除くと、トスティ歌曲をたくさん録音している松本美和子さんの歌くらいしか耳にすることはできませんでした。
2回繰り返されますが、最初は昔の思い出を、そして続いて今の状況を引き比べています。彼女に笑顔がないのは度重なるストーカー行為に顔もひきつってるため?、イタリアの恋の歌にはこんなのが多いですね。

( 2016.01.11 藤井宏行 )


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