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Slugging a vampire    
 
ヴァンパイアをぶちのめす  
    

詩: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ
      

曲: アイヴズ (Charles Edward Ives,1874-1954) アメリカ   歌詞言語: 英語


I closed and drew,but not a gun,
The refuge of the weak,
I swung with the left and I swung with the right
And I landed on his beak.

He started to pull the same old stuff,
But I closed in hard and called his bluff
Yet his face is still a stickin' in the yellow sheet
And on the billboard a-down the street.

俺は閉じ込めて取り出した だが銃じゃなくて
弱き者の友(十字架)だ
俺は左に飛び そして右に飛んだ
そして一撃を食らわした そいつの口に

そいつは逃げ出そうとした いつものごとく
だが俺は厳しく追い詰めて そいつに挑みかかった
それでもまだそいつの顔は指名手配書に載ってる
そして目抜き通りの看板にも

1902年の作品、テーマがかなりぶっ飛んでおりますが、これにはある事情が絡んでおります。もともとこの曲はキプリングの「Tarrant Moss」という詩の一部分に付けられたのですが、著作権の許可がキプリング側から下りず、急遽自作に差し替えたというのです。それもあって冒頭のI closed and drewというのは両者で同じですし、全体の言葉の選択もキプリングの原詩を意識したものになっているようです。今では著作権問題はクリアしているのかどうかは不明ですが、Naxosなどの歌曲全集にはこちらの詞で歌われたものに加えて、オリジナルのキプリングの詞で歌われたものも(タイトルは原詩と同じTarrant Mossです)併録されていたりすることもあります。本当は合わせてご紹介したかったのですが、こちらのアイブズの詞も難解ですけれども、あちらはこれに輪をかけて難解で、もう少し背景など調べてみないととても歯が立ちません。
この曲には次のようなアイブズのコメントがつけられています。

This (music) sic was originally to Kipling's Tarrant Moss but as copyright permission was not obtained,the nice poetry above was written later (not by Mr. Kipling)
-この音楽はもともとキプリングのタラント・モスに付けられていた、しかし著作権の許諾が得られず、このようなナイスな詞が後で書かれたのである(キプリング氏によるものではない。

音楽はもともと短い詩の上に歌われるテンポが速いので、20秒そこそこで演奏は終わってしまいます。アイブズでも指折りの短い曲ではないでしょうか。

( 2016.01.11 藤井宏行 )


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