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Epiphanias    
  Lieder nach Gedichten von J W von Goethe
エピファニアスの祭  
     ゲーテ歌曲集

詩: ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832) ドイツ
      Epiphanias (1781)

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Die Heil'gen Drei König' mit ihrem Stern,
Sie essen,sie trinken,und bezahlen nicht gern;
Sie essen gern,sie trinken gern,
Sie essen,trinken,und bezahlen nicht gern.

Die Heil'gen Drei König' sind kommen allhier;
Es sind ihrer drei und sind nicht ihrer vier;
Und wenn zu dreien der vierte wär',
So wär' ein Heil'ger Drei König mehr.

Ich Erster bin der Weiß' und auch der Schön',
Bei Tage solltet ihr erst mich sehn!
Doch ach,mit allen Spezerein
Werd' ich sein Tag kein Mädchen mir erfreu'n.

Ich aber bin der Braun' und bin der Lang',
Bekannt bei Weibern wohl und bei Gesang.
Ich bringe Gold statt Spezerei'n;
Da werd' ich überall willkommen sein.

Ich endlich bin der Schwarz' und bin der Klein'
Und mag auch wohl einmal recht lustig sein.
Ich esse gern,ich trinke gern,
Ich esse,trinke und bedanke mich gern.

Die Heil'gen Drei König' sind wohlgesinnt,
Sie suchen die Mutter und das Kind;
Der Joseph fromm sitzt auch dabei,
Der Ochs und Esel liegen auf der Streu.

Wir bringen Myrrhen,wir bringen Gold,
Dem Weihrauch sind die Damen hold;
Und haben wir Wein von gutem Gewächs,
So trinken wir drei so gut als ihrer sechs.

Da wir nun hier schöne Herrn und Frau'n.
Aber keine Ochsen und Esel schau'n,
So sind wir nicht am rechten Ort
Und zieh'n unseres Weges weitet fort.

星の導きで来る東方の3博士
食って、呑んで、金払いは悪い
たらふく食って。たらふく呑んで
食っては呑むが金払いは悪い。

東方の3博士がやってきた
博士たちは3人、4人じゃない。
もし3人が4人になったら、
もはや東方の3博士じゃなくなっちゃう

最初の私は色白でその上男前
昼間の私を是非見てくれたならなあ
ああ、でもどんなにめかし込んでも
娘たちと仲良くなれない。

次の私は浅黒で長身
女と歌ではちょっとは知られた身
香水の代わりに金をふりまく
だからどこでも私を大歓迎

最後の私は黒くて小柄
思いっきり愉快に過ごしたいものだ
食うのも好きだし呑むのも好き
食って呑んだら大満足

東方の3博士は心優しい
聖母と幼子を探して歩く
そこには敬虔なヨゼフが側に座り
牛とロバがわらの上に寝そべっている

私達はミルラと黄金を持っている
お香はご婦人のお好みのもの
もし良いワインも持っていたら
6人分を3人で飲んでしまうのだが

ここには麗しき紳士、淑女の皆様ばかりで
牛やロバは見当たらぬ
さては目指すところではないようだ
では又出かけるとするか


エピファニウスの祭とは1月6日、東方の3博士がキリストの生まれた厩にたどり着いた日とされており、クリスマスシーズンはこの日をもって終わりとされるのだそうです。
ドイツではこの日、子供たちが3博士の扮装で家々を巡り、教会への喜捨を集める習慣があったということで、このお茶目な詩と曲で表されたような光景があちこちで見られたのかも知れませんね。歌は幼稚園のお遊戯にでも使えそうな親しみやすい行進曲と共に始まり、ひとりひとりの自己紹介のところはそれぞれの特徴を出しながらおどけて、そしてまた行進曲と共に去って行きます。
ヴォルフの繊細にして暖かい眼差しが、とても素敵なクリスマスの歌を作ってくれました。
この曲、私はシュワルツコップとフィッシャー=ディースカウのヴォルフ歌手大御所2人の録音しか聴いたことはないのですが、こういう表情豊かな曲はやはり両者とも絶妙ですね。なかではやはり、最初に刷り込みを受けたこともありますが、シュワルツコップの可愛らしい子供になりきった歌により惹かれるものがあります。

( 1999.12.13 藤井宏行 )


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