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Le ruisseau   Op.22  
 
小川  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Au bord du clair ruisseau
croît la fleur solitaire,
Dont la corolle brille
au milieu des roseaux;
Pensive,elle s'incline
et son ombre légère
Se berce mollement
sur la moire des eaux.

Ô fleur,ô doux parfum,
lui dit le flot qui passe,
A mes tendres accents
ta tristesse répond!
A mon suave élan
vient marier ta grâce.
Laisse-moi t'entraîner
vers l'océan profond !

Mais il l'entoure en vain
de sa douce caresse,
Cette flottante image
aux incertains contours,
Se dérobe au baiser
humide qui l'oppresse,
Et le flot éploré
tristement suit son cours!

澄んだ小川の岸辺に
ひとりぼっちの花が咲く
その花びらはきらめいていた
葦の間で
物思いつつ 花は身を屈め
その軽やかな影は
そっと揺れている
水のさざ波の上で

おお花よ おお甘い香りよ
花に過ぎゆく流れが語りかける
ぼくの優しい言葉で
あなたの悲しみに答えてあげましょう!
ぼくの穏やかな勢いと
あなたの美しさとを結び合わせましょう
ぼくにあなたを導かせてください
深い海の底へ!

けれど流れがむなしく花を包んでも
その優しい愛撫で
その漂う反映は
ぼやけた輪郭で
キスを逃れてしまうのだ
水が花に押し付けようとするキスを
そして流れは涙にくれて
進んで行くのだ その行く道を!


1881年作曲の女声合唱作品。いかにもフォーレらしい宗教音楽に通じる透明感に溢れ 微妙な転調を伴うたゆたうメロディが魅力的な作品です。歌詞はかなり俗っぽいものではありますが。
中間部の小川の語りはソリストによって歌われます。切々と訴えかける歌声はどこか悲しげですが、それを挟む合唱は淡々と美しく流れて行きます。
女声合唱団には手頃なレパートリーだからでしょうか。アマチュアの演奏がYoutubeにもあふれておりました。

( 2015.12.29 藤井宏行 )


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