Nostalgia Cinque liriche I |
郷愁 5つのリーリカ 第1集 |
Quando a sera io vado stanco nella selva addormentata, parmi scorgere al mio fianco la tua forma delicata. Del tuo velo è il biancheggiare? Miro il tuo leggiadro volto? O sol è chiaror lunare che dei pini entra nel folto? Ma quel ch'io sommessamente sento scorrere e il mio pianto? Oppur tu sei veramente che mi segui,e piangi tanto? |
夕暮れに 私が疲れて歩む時 眠れる森の中を 見えたように思えたのだ 私の傍らに お前の優しい姿が お前のヴェールなのか 白く輝くのは? あれはお前の愛らしい姿なのだろうか? それともただの月の光なのか 松の木の茂みに射し込んでくる? けれど何と静かに 聞こえてくるのだろう 自分の涙が流れるのを? それともお前が本当に 私について来てくれて 一緒に泣いてくれているのか? |
チマーラの歌曲の中では(少なくとも日本では)一番有名で良く取り上げられる曲のように思います。個人的にはもっと雄弁で美しいメロディの傑作は他にもたくさんあるように感じておりますけれども。
詩はハイネの「新詩集」より「セラフィーネ」。ドイツ語の原詩につけたドイツ系の作曲家はたくさんいるようですが、今一つ後世に残ったものはないようです。珍しいところではあの山田耕筰がこのドイツ語詩に曲をつけているようですが...
チマーラはもちろんイタリア語の詩につけておりますが、訳者は不明なようです。あまり原詩とニュアンスは変わっていないようなのでハイネの詩ということにして置きます。
( 2015.12.28 藤井宏行 )