Bogomater’ v gorode Peterburg |
街中のマドンナ ペテルブルク |
Ty prokhodish’ bez ulybki, Opustivshaja resnitsy, I vo mrake nad soborom Zolotjatsja kupola. Kak litso tvoe pokhozhe Na vechernikh bogorodits, Opuskajushchikh resnitsy, Propadajushchikh vo mgle... No s toboj idet kudrjavyj Krotkij mal’chik v beloj shapke, Ty vedesh’ ego za ruchku, Ne daesh’ emu upast’. Ja stoju v teni portala, Tam,gde duet rezkij veter, Zastilajushchij slezami Naprjazhennye glaza. Ja khochu vnezapno vyjti I voskliknut’: “Bogomater’! Dlja chego v moj chernyj gorod Ty Mladentsa privela?” No jazyk bessilen kriknut’. Ty prokhodish’. Za toboju Nad svjashchennymi sledami Pochivaet sinij mrak. I smotrju ja,vspominaja, Kak opushcheny resnitsy, Kak tvoj mal’chik v beloj shapke Ulybnulsja na tebja. |
お前は通り過ぎて行く 笑顔もなく まつ毛を伏せて そして大聖堂の暗闇の中 ドームは黄金に光る 何とお前の顔は似ていることか 夕暮れの聖母たちに まつ毛を伏せて 霧の中に消えて行く お前と一緒なのは 縮れ毛の 白い帽子をかぶった優しい少年 お前はその子の手を引いて その子が転ばないようにしているのだ 私は立っている 戸口の影に そこには強い風が吹いていて 涙で潤ませるのだ 緊張した目を 私は突然に飛び出して 叫びたくなる:「マドンナよ! なぜ私の黒い街に あなたはその子を連れて来たのか?」と だが舌は叫んでも無力だ お前は通り過ぎ お前の後の 聖なる足跡の上には 青い闇が安らいでいる 私は眺めている 思い出しながら まつ毛を伏せて あの白い帽子の少年が お前に微笑んだのを |
最終曲も幻想的な不思議な味わいです。詩人が呼びかけている「お前」というのは実は本当の聖母さまで、そして彼女が連れている縮れ毛の少年はキリストさま?、さびしげな夕暮れの町をあるく二人の姿はどこか神々しさを漂わせています。
ブロークの詩は1905年のもの。相変わらず難解ですが鮮烈な印象を与えてくれます。
( 2015.12.04 藤井宏行 )