白肩の津上陸 海道東征 |
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その一 青雲の白肩の津、その津に、 雄たけびぞ今あがる、御船泊てぬ。 いざのぼれ大御軍、 いざ奮へ丈夫の伴。 浪速の辺に騒ぐ味鳧や、その渚を、 追ひ押しに押しのぼり、み楯並めぬ。 いざのぼれ大御軍、 いざ奮へ丈夫の伴。 その二 日下江の蓼津、その津に、 雄たけびぞ今あがる、大御軍。 いざのぼれ、大和は近し、 いざ奮へ丈夫の伴。 浪速の潮なし遡ると、 我が行かば何はばむ、長髓彦。 いざのぼれ、大和は近し、 いざ奮へ丈夫の伴。 |
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大和を目指す一行はついに白肩之津(今の大阪市付近)に上陸します。勇壮なファンファーレとともに男声ソロと合唱が晴れやかにその上陸を祝いますが、ここはもろにドイツ音楽スタイル。ヘンデルのオラトリオでも聞いているようです。しかしここでも歌われている長髓彦の頑強な抵抗に遭い、ここからのルートは断念することとなるのでした。ここの苦難の戦いは楽章の最後のオーケストラによって表現されています。
( 2015.11.27 藤井宏行 )