The folly of being comforted |
慰められることの愚かさ |
One that is ever kind said yesterday: “Your well-beloved's hair has threads of grey, And little shadows come about her eyes; Time can but make it easier to be wise, Though now it's hard,till trouble is at an end; And so be patient,be wise and patient,friend.” But,heart,there is no comfort,not a grain; Time can but make her beauty over again, Because of that great nobleness of hers; The fire that stirs about her,when she stirs, Burns but more clearly. O she had not these ways, When all the wild summer was in her gaze. O heart! O heart! If she'd but turn her head, You'd know the folly of being comforted. |
いつも親切なあるひとが昨日こう言った 「あなたの最愛のひとの髪にも白いものが混じってきて 目のまわりにも小さなクマができてきてますよ 時が経てば賢くなりやすくなるっていうけれど 今は難しいですかね 面倒なことが片付くまでは だから辛抱なさい 辛抱して賢くなるんです 友よ」 だがこの心には 慰めになんかならない ひとっかけらも 時はあの人を再び美しくするだけなんだ 彼女にはとても素晴らしい気品があるんだから まわりに掻き立てられる火は 彼女が掻き立てる時 一層くっきりと燃え上がる おお こんな風じゃなかったのに あの荒々しい夏が彼女の眼差しの中にあった時には おお心よ!おお心よ!彼女が頭を振り向かせるだけでも お前は知るだろう 慰められることの愚かさを |
どことなくユーモラスな会話の影ににじみ出てくるのは老いの悲しみでしょうか。憂愁のメロディスト、ガーニーの手にかかるとこういう詩は見事な音楽になります。
この作曲家、それもあってかこのイエイツとの相性抜群で、とてもたくさんの詩を歌にしています。
( 2015.11.20 藤井宏行 )