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The folly of being comforted    
 
慰められることの愚かさ  
    

詩: イエイツ (William Butler Yeats,1865-1939) アイルランド
    In the Seven Woods  The folly of being comforted

曲: ガーニー (Ivor Gurney,1890-1937) イギリス   歌詞言語: 英語


One that is ever kind said yesterday:
“Your well-beloved's hair has threads of grey,
And little shadows come about her eyes;
Time can but make it easier to be wise,
Though now it's hard,till trouble is at an end;
And so be patient,be wise and patient,friend.”
But,heart,there is no comfort,not a grain;
Time can but make her beauty over again,
Because of that great nobleness of hers;
The fire that stirs about her,when she stirs,
Burns but more clearly. O she had not these ways,
When all the wild summer was in her gaze.
O heart! O heart! If she'd but turn her head,
You'd know the folly of being comforted.

いつも親切なあるひとが昨日こう言った
「あなたの最愛のひとの髪にも白いものが混じってきて
目のまわりにも小さなクマができてきてますよ
時が経てば賢くなりやすくなるっていうけれど
今は難しいですかね 面倒なことが片付くまでは
だから辛抱なさい 辛抱して賢くなるんです 友よ」
だがこの心には 慰めになんかならない ひとっかけらも
時はあの人を再び美しくするだけなんだ
彼女にはとても素晴らしい気品があるんだから
まわりに掻き立てられる火は 彼女が掻き立てる時
一層くっきりと燃え上がる おお こんな風じゃなかったのに
あの荒々しい夏が彼女の眼差しの中にあった時には
おお心よ!おお心よ!彼女が頭を振り向かせるだけでも
お前は知るだろう 慰められることの愚かさを


どことなくユーモラスな会話の影ににじみ出てくるのは老いの悲しみでしょうか。憂愁のメロディスト、ガーニーの手にかかるとこういう詩は見事な音楽になります。
この作曲家、それもあってかこのイエイツとの相性抜群で、とてもたくさんの詩を歌にしています。

( 2015.11.20 藤井宏行 )


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