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Go Not,Happy Day   S.335  
 
行かないでくれ 幸せな日よ  
    

詩: テニスン (Lord Alfred Tennyson,1809-1892) イギリス
    Maud Part1-1,Section17 Go Not,Happy Day

曲: リスト (Franz Liszt,1811-1886) ハンガリー   歌詞言語: 英語


Go not,happy day,
From the shining fields
Go not,happy day,
Till the maiden yields.

Rosy is the West,
Rosy is the South,
Roses are her cheeks,
And a rose her mouth

When the happy Yes
Falters from her lips,
Pass and blush the news
Over glowing ships;

Over blowing seas,
Over seas at rest,
Pass the happy news,
Blush it thro’ the West;

Till the red man dance
By his red cedar-tree,
And the red man's babe
Leap, beyond the sea.

Blush from West to East,
Blush from East to West,
Till the West is East,
Blush it thro’ the West.

Rosy is the West,
Rosy is the South,
Roses are her cheeks,
And a rose her mouth.

行かないでくれ 幸せな日よ
この輝く野原から
行かないでくれ 幸せな日よ
あの娘がぼくのものになるまでは

バラ色だ 西の空は
バラ色だ 南の空も
バラなんだ あの娘の頬は
そしてバラなんだ あの娘の口も

うれしい「ハイ」の返事が
あの娘の唇からこぼれたなら
伝えて赤くなってくれ その知らせを
光ってる船たちの上で

風吹く海の上を
静かな海の上を
伝えてくれ その幸せな知らせを
赤く染めてくれ 西の空じゅうを

あの赤い男が踊り出すまで
あの赤い杉の木のすぐそばで
そして赤い男の赤ん坊が
飛び跳ねて 海から出てくるまで

赤く染めてくれ 西から東へと
赤く染めてくれ 東から西へと
西が東になってしまうまで
赤く染めてくれ 西の空じゅうを

バラ色だ 西の空は
バラ色だ 南の空も
バラなんだ あの娘の頬は
そしてバラなんだ あの娘の口も


コスモポリタンで、フランス語、ドイツ語、イタリア語の歌曲をたくさん書いているフランツ・リストですが、さすがに英語の詩につけた歌曲があったというのは驚きでした。詩はテニスンの長編詩「モード」より。ここで取り上げられたさわやかな恋の詩とは裏腹に、この詩集の主人公「モード」は世の中に懐疑的な陰気な青年として描かれているのだそうです。確かに突然出てくる「赤い男」なんかはこの明るい詩に病的なものを持ち込んでいるようにも読めますね。

( 2015.11.20 藤井宏行 )


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