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Lied von Winde    
  Gedichte von Eduard Mörike für eine Singstimme und Klavier
風の歌  
     メーリケ歌曲集

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Lied von Winde

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Sausewind,Brausewind!
Dort und hier!
Deine Heimat sage mir!

»Kindlein,wir fahren
Seit vielen vielen Jahren
Durch die weit weite Welt,
Und möchten’s erfragen,
Die Antwort erjagen,
Bei den Bergen,den Meeren,
Bei des Himmels klingenden Heeren,
Die wissen es nie.
Bist du klüger als sie,
Magst du es sagen.
- Fort,wohlauf!
Halt’ uns nicht auf!
Kommen andre nach,unsre Brüder,
Da frag wieder.«

Halt an! Gemach,
Eine kleine Frist!
Sagt,wo der Liebe Heimat ist,
Ihr Anfang,ihr Ende?

»Wer's nennen könnte!
Schelmisches Kind,
Lieb’ ist wie Wind,
Rasch und lebendig,
Ruhet nie,
Ewig ist sie,
Aber nicht immer beständig.
- Fort! Wohlauf! auf!
Halt uns nicht auf!
Fort über Stoppel und Wälder und Wiesen!
Wenn ich dein Schätzchen she’,
Will ich es grüßen.
Kindlein,ade!«

吹きすさぶ風、うなりをあげる風!
あちらに吹きこちらに吹く!
おまえたちがどこから来たのか僕に教えて!

「坊主、俺たちは
広い広い世界のすみずみを
遠い遠い昔からずっと
旅をしているんだ
そしてその答えを尋ねた
山に、海に、
天のきらめく星たちに
だが誰も知らなかった
おまえが物知りならば
こっちが教えてもらいたい
---さあ行くぞ、元気でな!
俺たちを止めるなよ!
後から別の仲間が来るから
そいつらにまた聞くといい!」

待って! ゆっくりしていってよ
少しの間だけ!
教えて、恋ってどこから来るの?
その始まりは、その終わりは?

「そんなこと教えられる奴はいやしない!
この悪戯坊主め
恋は風のようなものさ
素早くて手強くて
休むことなく
尽きることもない
そしていつも気まぐれなのさ
---さあ行くぞ、元気でな!
俺たちを止めるなよ!
畑と森と牧場を越えて行くのさ!
おまえの恋人を見かけたら
よろしく言っておいてやるよ
坊主、さよならだ!」

 「少年と蜜蜂」と同じくませた少年が主人公です。ひょっとすると同一人物でしょうか。少年のせりふの「どこから来たのか教えて」はたいていの既訳では「故郷(Heimat)を教えて」です。しかし風はともかく「恋の故郷」というのはどうもしっくりこないので、Heimatは「出身地」「原産地」とも訳せることからこのような意訳を試みました。「そしていつも気まぐれなのさ」の「そして」はaberで普通は「しかし」ですが、この行は前の文と対立しているとは思えないので古い用法の「そして」を採用しました。
 ヴォルフの作曲は吹きすさぶ風をピアノの分散和音が表現する急速なテンポの作品です。演奏はシュヴァルツコップなど。

( 2004.3.3  甲斐貴也 )


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